四国鉄道文化館探訪記③(DF50室内編)

「その②」のつづきです・・・

「四国鉄道文化館」の展示における最大の目玉は、何といっても

側面
(画像は再掲・・・)
かつての四国に君臨した王者・DF50形電気式ディーゼル機関車の1号機

・・・です。

このDF50形の1号機、運転室についても開放されていて、立ち入ることができますので、中に入ってみました・・・。

運転席
まずは機関士席。
機能的でコンパクトにまとめられています。

内側にはアームレストがありませんが、外側の窓枠に地味にアームレストが取り付けられていました。

助士席
反対側は助士席です。

さすがに箱型車体だけあって、運転室内のスペースには余裕があります。

運転席からの眺め
機関士席に座っての視界はこんな感じです。
パノラミックウィンドウではなく平面窓ですが、席の位置が高いこともあって、視界は割と良好だと思います。

マスコン
マスコンレバー。
残念ながら固定されていて、動かすことはできませんでした・・・
(車籍がJR四国にある以上は、まがりなりにも本線上を走行する“可能性”はあるわけですから、下手に壊されても困るということでしょう・・・)。

運転台周りの配管
計器パネル下の配管はむき出しになっていました・・・。

計器類
計器パネル。
圧力計や速度計といった計器と並んで、一番右に

“電流計”

があるのが、いかにも電気式ディーゼル機関車らしいところです。

ちなみに、速度計の上にある赤い「前照灯」ボタンを押すと、1分間前照灯が点灯します。

前照灯点灯
ごらんのとおりです。
輝度は高いのですがどこか冷たさの感じられる現代の高輝度HIDあたりとは違って、温かい電球色が印象的でした。


床は木製
昭和30年代初頭の機関車(この1号機は昭和32(1957)年製)ということもあってか、運転室の床は“木張り”となっていました・・・
(先日交通科学博物館で見てきたDD54形は鉄板でした・・・。これが“10年の差”なのでしょうかね・・・)。

お正月です
訪れたのが年末だったためか、新年に向けて鏡餅が運転室には飾られていました・・・。

運転室からエンジンルーム
運転室からエンジンルームを眺めると、こんな感じになります。
さすがにエンジンルームに実際に立ち入ることはできません・・・。




エンジンルーム公開中
(画像は再掲)
さて、訪問時はたまたま

エンジンルーム特別公開

の期間にあたっていましたので、せっかくですからエンジンルームも眺めてきました。

ひな壇から
エンジンルーム公開・・・といっても、さすがにエンジンルームの中に実際に入っていける・・・のではなく、DF50形の特徴である側面のエアフィルターを外しただけ・・・ともいいますが、それでも貴重な体験です

側面
(画像は再掲)
エンジンルームは高いところにあるため、ひな壇(?)に上って、エンジンルームを眺めることになります。

SG
まずは、連結している客車に暖房のための蒸気を提供する「蒸気発生装置」(SG)です。
大層な名称がついていますが、

ぶっちゃけただのボイラー

・・・だったりも、します。

蒸気機関車の時代は、放っておいても蒸気が大量に発生していましたので、機関車から客車に蒸気を送ればそれですんでいたのですが、ディーゼル機関車にしても電気機関車にしても、意識的に蒸気を発生させて牽引している客車に送らないと、少なくとも「蒸気暖房」の恩恵にあずかることはできませんからね。

エンジン
動力源となる、ズルツァー社(スイス)のエンジン・・・を、三菱重工業がライセンス生産したものです。
形式名「8LDA25A」、直列8気筒のディーゼルエンジンで、1060馬力の出力を発揮します。

過給機
エンジンの先には、何気に過給機が取り付けられていました。

発電機
過給機の下には、電気式ディーゼル機関車のカギとなる「発電機」が搭載されています。
「DM49」形というようです。


・・・なお、わかっている人には何をか今さらですが、このDF50形が登場した当時、国産の優秀な液体変速機(トルクコンバーター)がなかったため、やむなく採用されたのが電気式ですが、

ディーゼルエンジンで発電機を回して、発生した電力で台車に取り付けられたモーターを回す

・・・というのが、基本的な原理です。

発電機やモーターを余分に搭載する分、重量もかさめば価格もお高くなるということで、このDF50形以降、国鉄は電気式ディーゼル機関車を製造することはありませんでした
(その後、半導体技術の進歩に伴い、JR貨物がDF200形として電気式を復活させています)。


「機関車」というといかにも強力であるかのような印象を与えるのですが、このDF50形・・・

エンジン出力は1060馬力(MAN型機関を搭載する500番台は1200馬力)
モーター出力はわずか“600kw”

・・・と、本格的な図体の割には案外非力だったりもします
(現代でいえば、JR四国の8000系量産車の電動車1両当たりの出力が800kwですから、それ以下・・・orz)。

事実、四国においても、特に貨物列車の牽引時には重連で用いられることが多々ありました。

エンジンルーム
発電機の隣には、コンプレッサーが搭載されていました。

エンジンルーム
・・・と、いうことで、エンジンルームの全景。
普段見られないものを目の当たりにできて、いい経験をすることができました。

実際問題として、交通科学博物館のカットモデル(模型)にて、だいたいの構造については把握していたつもりですが、

模型よりは実物

・・・ですからね。やっぱり・・・。




ちなみに、このDF50形1号機が鎮座している線路・・・その先には・・・

扉
保線用の軌道自転車と巨大な扉があります。

本線につながっています
まぎれもなくJR四国予讃線の本線につながっているのですが(決して「切り離された陸の孤島」ではないのです・・・)、はたしてこのDF50形1号機が、自走するかどうかはともかくとして、再び予讃線の本線に姿を現すことはあるのでしょうか・・・。

「走行可能」と「自走可能」は異なりますし、見た感じ、やはり一定の整備はしないと、たとえ構内走行といえども自走するのは難しいのではないか・・・という印象を受けたのですが、

いつの日にか、再びズルツァーエンジンのサウンドと、釣りかけモーター音を響かせてほしい

・・・と、思わずにはいられませんでした。

(余談)
DF50形1号機の先に鎮座している軌道自転車・・・
軌道自転車
週末や多客期には、伊予西条駅の構内を実際に運転できるそうです。
これはこれで、一回乗ってみたいところですが、「多客期=お子様がいっぱい」でもあるわけでして、私みたいなぼっち中年には厳しいかも、しれませんね・・・orz。

「その④」につづく・・・
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

キモプアの紙

Author:キモプアの紙
キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ