バリ得新幹線の旅(プロローグ)

先月末(平成31年2月末)に、新設されて間もない“京都始発の松山エクスプレス号”で地元に戻ったことがありました。

本数の少ない京都発着便はともかくとして、本数が多く、アコモデーションも(一部便を除いて)3列車と高いレベルを誇る大阪・神戸~松山間は、高速バスがJR(鉄道線)に対して優位に立っているのが、実情ではないかと思われます
(今治発着の“いしづちライナー”号も、大きな影響を及ぼしているように思われます)。


愛媛県内に限らず、全国的な傾向として、


高速バスの運賃は、JRの普通運賃に近い額で設定されるため、特急料金の金額分、高速バスの方が安い
所要時間という面でも、高速バスはJR乗り継ぎに比べて“やや遅い”程度に収まる

(例:松山~大阪間でいえば、おおむね1~1.5時間程度の差)


・・・ということがありまして、とりわけローカルな在来線と競合する高速バスは、鉄道に対して優位な立場に立っていることが多いのが実情です。




当然、JRの側も黙っているわけではなくて、企画乗車券で対抗しようとするわけですが・・・

京阪神→松山地区への企画乗車券事情は“貧困”の一言に尽きます

松山地区→阪神地区であれば、伝統の“阪神フリーきっぷ”という手がありますし、“こだま・ひだま(山陽区間各停のひかり)”限定の“大阪こだま指定席往復割引きっぷ”もあるのですが・・・(なお、後者はJR西日本お得意の(?)ぼっち冷遇策により、2人以上でのみ利用可)。

ややイレギュラーですが、京阪神発着で単身にて松山に向かう際の企画乗車券として、最も使い出があるのは、“松山・広島割引きっぷ”ではないのか・・・というのが、個人的な実感です)。



このような事情もあって、私自身はJR利用の際にはだいたい正規運賃・料金を払っているわけですが、以前(当ブログのコメント欄にて)とある企画乗車券(厳密には“個人旅行商品”)の存在をご教示いただきました・・・




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・・・ということで、JR西日本にやる気が無いならば、子会社の日本旅行にやらせればいいではないか・・・ということかどうかは定かではありませんが、日本旅行が大々的に展開する“バリ得新幹線”プランを利用して、松山から大阪(を経由して京都)まで戻りました。

そのときの記録については、また別立てのエントリーで整理するとして、ここでは、“バリ得新幹線”プランについて整理させていただきます


“バリ得新幹線”とは、東海道新幹線で名高い“ぷらっとこだま”の山陽新幹線版・・・と理解しておけば、だいたい間違っていません。

各駅停車で、後続列車に抜かれるための待避も多く、“のぞみ”や“みずほ・さくら”に比べると、かなり所要時間がかかる“こだま”号の利用促進を兼ねて設定された、格安の企画乗車券(旅行プラン)が、“バリ得新幹線”となります

子会社が展開する“旅行商品”という位置づけも、JR東海本体ではなく子会社のJR東海ツアーズが展開する“ぷらっとこだま”と共通のものとなります。
割引率についてもかなりのものであり、代表的な区間でいうならば、新大阪~博多間をわずか7500円--フェリーの2等寝台並かよ!--で移動できるという、強力なコストパフォーマンスを誇ります


そして、JR西日本本体のような“ぼっち冷遇策”もなく、


おひとりさま利用可
片道だけの利用も可



・・・という点も、ポイントの高いところです。

唯一の弱点というべき点は、


座席指定を受け付けない


・・・というところですが、割引率の高さを考慮するならば、そこまで求めるのは酷というものでしょう・・・


実際に、“バリ得新幹線”に限らず、“こだま”号(ないしは、一部“ひかり”号)に利用が限定される企画乗車券や旅行商品には旺盛な需要があるようでして、


山陽“こだま”は指定席の方が自由席よりも慢性的に混雑している

(指定席は4列シートで座席数そのものが少ないという事情もあるとしても・・・)


・・・という、変わった事情になっていたりもします
(よって、私が“こだま”号に正規運賃・料金で乗車する際には、空いている自由席にいることが多いです)。





さて、東海道新幹線の場合は、全線通しで走る“こだま”号がほぼ1時間ごとに設定されていますので(名古屋~東京間に限れば、1時間に2本が基本となります)、選択できる列車にある程度幅があるのですが、山陽新幹線の場合は・・・


新大阪~博多間を通しで走る“こだま”号は、(始発駅発車時刻を基準として)午前中と午後遅くに偏った設定となっている
(データイムについては、新大阪~岡山間を当該区間各停の“ひかり”号に任せて、新大阪~岡山間には“こだま”号が運行されていないのです)

・・・ため、“こだま”号だけに利用を限定すると、何かと使い勝手の悪そうなところも出てきます。
それでも、乗車距離の長い小倉・博多方面へは、直通の“こだま”号しか利用させてもらえず、行程に時間の制約が入るのですが・・・。



松山・高松発着の設定の場合は、“ひだま”の利用も認められるため、ほぼ1時間ごとに設定がある

・・・ため、その意味での使い勝手は、そこそこ良好なものではないかと思われます
(“ひだま”の利用が認められることで、ほぼすべての“しおかぜ”号が利用対象になりますので・・・)。


それにしても、この手の企画乗車券や旅行商品は“JR一社内で完結する”場合に設定されることが多いように思われますが--実際に、“ぷらっとこだま”や“えきねっとトクだ値”は、原則としてそうなっていますし・・・--、バリ得新幹線については、会社の境界を越えて、四国や九州(博多以南)発着の設定もあります

それくらい、四国や九州は集客に必死になる必要があるのか、JR西日本/日本旅行という“ガリバー”におつきあいしているのか・・・(四国の場合は、“集客に必死になる”必要がありそうですが・・・。その割に解せないのは、松山・高松発着の設定があるにもかかわらず、“高知発着の設定がない”ことなのですが、何か理由があるのでしょうか(徳島発着の設定がないのは、どう足掻いても高速バスに対して勝ち目がないからとわかるのですが・・・))。




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・・・ということで、“ひだま”の一員を利用して、しおかぜ~ひかりと乗り継いで“バリ得新幹線”の旅を敢行してきました

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松山~大阪市内の設定価格は、7600円となります。
単身でJR特急・新幹線を利用して移動する場合には、松山発着の企画乗車券も含めて、これ以上のコスパを誇る手段はありません
(阪神往復フリーきっぷの片道相当額よりも、バリ得新幹線の方が安いです)。

高速バスの正規運賃(松山~大阪)が6900円となりますので、それと比べると“少し割高”というところでしょうか
また、JR正規運賃・料金の合計額(松山~大阪市内)が、普通車指定席の利用を前提として11190円(通常期、ひかり・こだま利用)となりますので、おおむね3割引というところでしょうか。

岡山駅での乗り継ぎがスムーズであれば、高速バスよりもやや早めの到着となりますので、競争力は十分にあるものと思われます
(私が利用した、“しおかぜ8号→ひかり466号”のパターンであれば、松山~新大阪間は4時間21分。これは、高速バスよりも1時間程度早い所要時間となります。逆に、岡山駅で長時間待ちぼうけを食らわされるパターンを選ぶと、高速バスよりも遅くなります。なお、この旅行商品は、岡山駅での途中下車が不可なので、駅構内で時間をつぶすしかありません・・・)。

また、“ぷらっとこだま”の場合は、首都圏、関西圏とも、新幹線と在来線の運行会社が異なるため、新幹線の駅から在来線に乗り換える場合“別運賃”になるという弱点がありますが、“バリ得新幹線”の場合、関西圏に限れば新幹線も在来線もJR西日本の運行となるため、“特定都区市内制度”の恩恵を受けることも可能です
(私は新大阪駅からそのまま在来線に乗り換えて京都に戻ったので、恩恵を受けずじまいでしたが、目的地によっては大変有用だと思われます)。


ちなみに、JR西日本の子会社が設定している商品の割には、


松山→大阪市内という“片道だけ”の利用も可能である

ところは、ありがたいところです。

もちろん、発売箇所は日本旅行の主な支店・営業所かインターネットサイトに限られますので、松山側で購入する際には、日本旅行松山支店に出かけるか、インターネットサイトでの購入・・・となるところでしょうか
(それでも買えてしまうであろうことが、この商品の“有能さ”というところでしょうが・・・)。


なお、私の場合は、事前に日本旅行のTiS京都支店(@京都駅)に出かけて、直接現金払いで購入してきました。

ひょっとしたら座席について希望を聞いてくれないだろうか・・・とも思いましたが、そこは“お約束通り”、ダメでした。
もっとも、たまたまなのか、ある程度空いていたからなのか、何も言わなくても窓側席にしていただけたので、そこは“やれやれ”・・・。

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しおかぜ号と、

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ひかり号の特急券も、別途発券されます。

このときは、“しおかぜ”“ひかり”とも、窓側席にアサインされてやれやれ・・・。
“しおかぜ”号については山側のD席にアサインされましたが、それくらいは甘受しなければならないところでしょう
(自分でシートマップを見ながら指名買いをする場合には、必ず海側席にするのですが・・・)。

“旅行商品”扱いという事情もあってか、列車変更も不可ならば、乗り遅れてしまった際の“後続列車の自由席への乗車”も一切不可能です。
そのあたりの“制限”を理解したうえで利用するのが、旅行商品や企画乗車券というものですね
(JRの責任で接続できなかった場合は・・・どうなるのでしょうね・・・。その場合でも「乗車券・特急券をすべて買い直し」では、キレたくなりそうですが・・・)。

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マルス券だけを見ていると、“旅行商品”であることを忘れてしまいそうになりますが、購入時に同時に渡される各種書類を眺めていると、これが紛うことなき“旅行商品”であることを思い知らされます。

そういえば、JR線はこれまでそこそこ利用してきたつもりですが、


“旅行商品で利用することがなかった”



・・・ので、その意味ではいろいろと新鮮だったりもします。

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マルス券があれば理解できるような気もするのですが、別途“日程表”も発行されます。

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いろいろと制約・条件があることが書かれている説明書き。


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ちなみに、約3割も割り引いてくれる“対高速バス企画商品”でありながら、クーポン券までサービス(?)してくれます。

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松山駅のウィリーウインキー(JR四国運営のパン屋)で500円の金券として使用するか、松山城の近くで散策する際の“ちょい飲みちょい食べクーポン”として使用するかを、選択することができます。


ただし、有効期間が

乗車日+翌日


・・・と、どう考えても“関西→松山”の利用を想定した設定となっているため、松山発で利用した日には、タイミングによっては使えずじまいになりそうです。

あくまでも“オマケ”のようなものでしょうから、使えれば儲けもの・・・くらいの感覚でいた方が、よさそうですね・・・
(私は辛うじて使うことができまして、やれやれ・・・)。


「バリ得新幹線の旅・その①」に、つづきます・・・)
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旅行会社の料金設定

発表しているのがJRか旅行会社かを問わず、新幹線利用可なのに料金が妙に安いのはほぼ間違いなく「こだま」利用に限られ、つまり安いのには非常に相応な理由があるものですが、
ホテルでも旅行会社をカマせたほうが安くなる例がありまして、ツインで4500円が公式で最低料金のところ、近ツリは全く同じ内装・設備の部屋で「50歳以上が宿泊者にいて連泊するツイン利用者は2人とも一人3000円台」などを展開していて、親を連れて行くときには財布が非常に助かっています。

Re: 旅行会社の料金設定

KAZさん、コメントありがとうございます。

新幹線利用で格安の企画乗車券、ないしは旅行商品の場合、ご指摘の通り、“こだま”か、それに準じる列車に利用が限定されることが多いというのは、その通りと思われます(その意味では、列車を著しく限定するとはいえ、“のぞみ”を使わせてくれる松山・広島割引きっぷは良心的なのか?)。
高速の“のぞみ”や、そこそこ高速なうえに設備のよい“さくら・みずほ”と同じ料金で“こだま”(ないし、“ひだま”)に乗車しようというのは物好きしかおらず、乗車率がどうしても低迷しがちなための、格安の設定ということなのでしょうね(空気を運ぶよりは、格安でも人を運んだ方がマシ)。

> ホテルでも旅行会社をカマせたほうが安くなる例がありまして、ツインで4500円が公式で最低料金のところ、近ツリは全く同じ内装・設備の部屋で「50歳以上が宿泊者にいて連泊するツイン利用者は2人とも一人3000円台」などを展開していて、親を連れて行くときには財布が非常に助かっています。

なるほど、宿泊施設でもそんなパターンがあるのですね。
宿泊施設で思い出しましたが、新幹線を利用する際にも、宿泊をセットしたプランの方が、正規運賃・料金で単純に往復する場合よりも割安になるパターンがありまして、それはそれで「矛盾」を思わないでもないところです(これもまた、空気を運ぶよりはマシ・・・という考えで、ある程度利用できる列車が絞られるのでしょうが・・・)。
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キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

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