山陰一筆書ききっぷの旅(その⑪)

「その⑩」の、つづきです・・・)

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出雲市駅を定刻通りに出た「やくも26号」は、途中の米子駅までは定刻通りに運転され、伯耆大山駅からは伯備線の単線区間に入ります。

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単線区間ということで、行き違いのための運転停車の機会もでてきます。
・・・早速、途中の江尾(えび)駅に停車したのですが・・・


反対列車の到着が遅れているようです




・・・との、車内放送。
うん、“あるある”ですね・・・。



さらに数分後・・・


反対列車は大雨のため徐行運転をしており、到着がさらに遅れる見通しです。



・・・あれあれ?


・・・ともあれ、これでしばらくは動かないことが決まりですから、車内探検にでも出かけるとしますか・・・
(この段階ではまだ余裕綽々)。

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4号車と5号車のあいだ--4号車側--の、貫通路にやってきてみました。
基本4連の岡山方先頭車は、頻繁に増解結があるためか、簡易タイプの貫通形となるクモハ381形が充当されています。

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したがって、特急シンボルマークも“やる気のない平面”です・・・。
まあ、“取り付けてくれているだけマシ”という説もありますが・・・。

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外は相変わらず本降りの雨です。
そのためか、きっちり密閉されていないからか、貫通路には雨水がしたたり落ちていました・・・。

ちなみに、貫通路の上は運転室ですが、列車指令と交換列車の乗務員とのやりとりが漏れ聞こえてきました。
それによると、交換列車は速度を落として徐行しているようで、そのうちやってくるだろう・・・(そして、交換が終われば「やくも26号」も動き出すだろう・・・)ということで、自席に戻ることにしました。





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ところが、動き出す気配がありません。
もちろん、交換列車もやってきません・・・。


ついに、恐れていたことが・・・。
車内放送にて・・・。







伯備線内、大雨のため運転見合わせ中です。
運転再開の見通しは立っていません。





もちろん、ある程度の“余裕”を見込んだ行程を組んではいますが--単にこの日のうちに京都くんだりまで帰ることだけを考えれば、最終の「やくも30号」でも間に合わないことはないわけで・・・--、さて、動き出すのはいつになることやら。

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もともとが“運転停車”なので、扉が開くこともありません。

しかたないので、予備食料としてカバンに詰め込んでいたスナック菓子の詰め合わせ(?)にて、簡易夕食とします。
岡山についてから駅弁でも・・・と思っていたのできちんとした食料を積んでおらず、当てが外れました・・・。

また、「やくも」号には車内販売はもちろんのこと、自動販売機の設置もありませんので、手持ちのペットボトルが空になったら終わりです。チビチビ飲んでしのぎます・・・。

こうなったら、動き出すまでジタバタしてもしかたありませんから、鷹揚に構えているしかないですね
(こんなとき、モバイルでインターネットにつながる環境が“ない”ことがもどかしい・・・。自力で情報収集もできないので・・・)。


不定期に車内放送はあるものの・・・

「運転再開の見通しが立たない」ことと「代行バスを手配中(いつ着くかの見通しは立たない)」ということが繰り返しアナウンスされても、どうにもなりません・・・
(現場の車掌氏の責任に帰するところではないのですが・・・)

そうこうするうちに、本降りだった雨は(江尾駅では)あがりました。
江尾駅に停車してからすでに1時間半は経過しており、外は暗くなっています。

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ようやく(?)、開かずの扉と化していた乗降扉を開けることがアナウンスされ、車外に出ることができました・・・
(相変わらず、いつ動き出すのかはわからないけど・・・)。

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7号車先頭部。
ごらんの通り、すっかり夜の帳に包まれています。

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さて、この先へ進むことができるのはいつなのか・・・。

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他の車両からも乗客が三々五々降りてきて、ホームや待合室で体を伸ばしたり、休憩したりしています
(ここぞとばかりに煙が上がっていることには、個人的には閉口ものですが・・・)。

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4号車と5号車の間の連結部。
中間に組み込まれた先頭車も、前照灯を点灯しているんですね・・・。


さて、チビチビ飲んでいたペットボトルも空になってしまいましたので、駅舎にある自動販売機で・・・って、考えることはみんな同じのようで、30人ばかりの“行列”ができていました。
私が買うことができた頃には売り切れているものもありましたが、まずは飲み物を調達することだけはできたので、やれやれ・・・。

ふたたび車内に戻ります・・・。




どうやら、江尾駅の周辺のみならず、規制値に達する大雨になっていた区間でも雨が上がったようで、19時を回って、まずは“線路確認”がはじまったことが放送されました。

もっとも、確認した結果「異常がない」ことが判明しなければ列車は動きません。
そして、この「確認」は人力で行うわけで--徒歩なのか軌道自転車なのか、そのあたりは判然としませんが・・・--、それなりに時間を要します。

やはり、「運転再開の見通しは立たないまま」です・・・
他方で、「代行バス」の手配も同時に進んでいるようで、20時頃になって、まずは“米子方面へ引き返す乗客”に対する代行輸送の案内が行われました(車掌氏が車内を巡回して希望者の数を確認していましたが、数があまりいないようで、タクシーで代行輸送するようです)。
どうやら、運転再開を待って列車を動かすのではなく、代行輸送にすることを指令は決めたようです・・・

ちなみに、この“出発駅へ引き返す”というのは、いわゆる“無賃送還”の取り扱いに該当します。
今回のように列車の運行が打ち切りになった場合に、無料で出発駅まで戻ることができて、乗車券や特急券は全額払戻になる・・・という扱いですね。

ところが、私が持っているのは“一筆書ききっぷ”です。
車掌氏にどんな扱いになるのか聞いてみてもよかったのですが、仮に“無賃送還させてあげるよ”となっても、

江尾→(代行バス)→米子→(山陰本線;鳥取、豊岡、福知山・・・)→京都市内

と扱われたところで、どこかで一泊しなければ帰ることができません
(話のネタにはなるかもしれませんが、翌日の午後には所用があったため、少なくとも翌日の正午までには京都駅に戻っておきたい・・・しかし、山陰本線経由ではかなり難しい・・・。
インターネット上では、一筆書ききっぷの無賃送還は、最後に途中下車した駅まで無料で戻ることができるだけ・・・という説もあるようで、そうなると意味はないですね・・・)。

ともあれ、無賃送還時の扱いについては確認せず、岡山へ抜けることにしました

米子方面へ戻る乗客を案内した後で、岡山方面への乗客向けの代行バスが手配できた・・・ということで、代行バスへ向かうのですが・・・

駅前にバスが入ることができないので、バスの待機場所までタクシーでご案内します



・・・とのことで、

1号車の乗客から順次タクシーに詰め込まれて(?)、代行バスのもとへと運ばれていきます。

言い換えると、


私をはじめとして、7号車の乗客は最後

・・・となるわけで、まあいいですけどね・・・(バスでの通路側席は確定で、下手したら補助席コース)。

冷静に考えてみると、伯備線の途中駅(新見、備中高梁など)で降りる人がもしいたとしたら、どうなったのだろう・・・という疑問も、無きにしも非ずです(車内放送や車掌氏の巡回では確認されていなかったようですが・・・申告があれば対応?)。

どうせなら、行けるところまで行って“列車ホテルで一夜を明かす”などとなったら、それはそれで話のネタにはなったのかもしれませんが・・・夏場にそれもきついか・・・
(余談ながら、翌日に列車運行情報の履歴を確認したところ、この日の「やくも26号」は「大雨のため、3時間以上の遅れ」と表示されていました。遅れというか、事実上は江尾駅で“運転打ち切り”になったような気もするのですが、代行輸送が行われて目的地に向かっている限りは“遅れ”という扱いになるのでしょうかね・・・)。




さて、タクシーも数台は呼ばれているようですが、どうしても列車の乗客全員をピストン輸送すると時間がかかるようで、20時半を回って、ようやく私もタクシーに呼ばれました
(この時点で、江尾駅に停車してからほぼ3時間経過・・・)。

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他の乗客とともにタクシーに乗り込みまして、数分で代行バスの待機場所に着きました。

代行バスとして、派遣されてきた貸切バスが2台止まっていたのですが、ここでまたトラブル。



2台では“微妙に”あぶれる・・・

・・・ということで、代行バスの座席はもう満席、しかしとり残された私をはじめとした数人の乗客・・・

さて、もう1台バスを何とかするのか、あるいは(遅くなってもどうなってもいい人を集めて)列車に戻すのか・・・と思いながら待っておりますと、現場のJR社員氏が運転指令とやりとりした後で、


駅とバス待機場所をシャトル輸送していた“タクシー”への乗車を指示されました




まさかの・・・





江尾(鳥取県日野郡江府町)→岡山、タクシー大移動!!


・・・ということで、タクシーに乗り込みます
(ちなみに、先程の画面で写っている“UD(ユニバーサルデザイン)タクシー”に乗り込みました・・・)。

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さて、代行バスが先に動き出したのを見送りまして・・・


タクシー組(7号車の乗客ご一行様)も、出発です


(こんなことを書くと“不謹慎”なのかもしれませんが・・・)微妙にあぶれてくれたおかげで、満席の貸切バスの通路側席だとか補助席--結局、高速道路走行の関係で補助席は使用しなかったみたいですが・・・--に放り込まれずに済んだ分、まだ“マシ”だったのかもしれません。

後方の席では、先に乗り込んだグループのサラリーマン氏が雑談しているなか、エリートぼってぃである私は助手席を一人で占拠しているのですから、いい気なものです・・・(いや、物理的に後席にはもう乗れなかっただけですが・・・)。

かくして、20時45分頃、江尾を出発して、伯備線の線路とは逆方向にしばし走りまして・・・


米子自動車道→(落合JCT)→中国自動車道→(北房JCT)→岡山自動車道


・・・と、結局は(「やくも」号のライバルとなる)高速バスの出雲~岡山線と同じルートを疾走しまして・・・

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江尾を出てから約2時間となる22時40分頃に、岡山駅に着きました。
ちなみに、料金表のメーターは驚愕の“4万円超え”・・・
(実際には、これに高速道路の走行料金が上乗せされるのですが・・・)。

別に私が支払うわけではないのですが、ちょっとした大雨のために、JRも災難というべきか何というべきか・・・。
もっとも、一番の“災難”は、これから鳥取へとタクシーを戻さなければならない、タクシーの運転手さんだったのかもしれません・・・(これは、代行バスの場合も同じですか・・・)。

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なお、先発していたはずの代行バスをいつの間にやら抜いていたようで、バスはタクシーが到着した“後”に着いていました。

・・・と、優雅に眺めている場合ではありません。
JRとしては、関西方面に戻る乗客を“その日のうちに帰す”ために、山陽新幹線の上り最終列車となる「みずほ610号」(岡山22:48発)に間に合うように、代行バスやタクシーを仕立てています

駅員氏に急き立てられながら・・・新幹線改札を抜け・・・
(あれ、特急券の払い戻しは・・・って、それどころではない!)

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(画像は新大阪駅到着後のもの)
「みずほ610号」に乗り込みました。
もっとも、代行バスからの乗客は私が乗り込んだ後からやってくるわけですから、結局は5分程度岡山駅の発車が遅れました。

慢性的に混んでいる「みずほ」号、しかも、この列車の指定券など当然所持していないのですから「自由席」ということで、座れるかどうかかなり危惧したのですが、どうにか通路側に空席を見つけて座ることができました・・・

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そういえば、JR九州所属のN700系8000番台に乗るのは、何気に初めてなのかもしれません・・・
(外観や内装はJR西日本所属の7000番台と共通ですが、車内チャイムなど、微妙な相違点がいくつかあります・・・)。

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姫路、新神戸と停車しながら、列車は5分ほどの遅れを引きずって、終点の新大阪駅に到着です。

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もちろん、これから発車する列車もなく・・・。

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それにしても、“こんな時間”になってしまいました・・・




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在来線ホームに移動して、最終・・・の1本前の新快速を待ちます。
時間が時間ですので、“さっさと帰る”ことを優先です。

金曜の“午前様”だからか、深夜の新快速といえども座席にはありつけず・・・
(もっとも、高槻駅で大量の降車があったので、高槻→京都間だけ座ることができましたが・・・)。

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日付が変わって0:30・・・。
ようやっと京都駅に帰り着きました・・・。

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こんな時間です。
いや、「やくも」号の惨状を思うと、“帰り着けたこと”に感謝しないといけませんね

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ふだんは利用者でごった返している跨線橋も、さすがにこの時間になると人通りが少ないです。
最後に、烏丸口の改札で“一筆書ききっぷ”に無効印をいただいて、改札を出るのですが・・・外は本降りの雨。
そして、

もう市バスも地下鉄も何もかも走っていない・・・

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雨が降っていなければ、半分ヤケで歩いて帰るところなのですが--計算上は、2時間ほど歩いたら着くはず・・・--、雨のなか大荷物を抱えて歩いて帰る気力もなく・・・。
同じようなことを考えている帰宅客の列に連なって、タクシーで帰ることになったのでありました・・・(市バスなら230円で済むのに、10倍以上かかった・・・orz)。





・・・ということで、最終日の最後にとんでもないオチもありましたが、山陰一筆書ききっぷの旅でした。
スムーズに進んでいるときには、それはそれでふだんとは少し異なる旅をすることもできるのですが、“トラブル”になると厳しいですね・・・。

途中下車する際に駅員氏にまじまじと眺められるのも面白いところではありますし、いくらかは(遠距離逓減制のおかげで)普通乗車券や連続乗車券よりは安くできますので、“たまには”いいのかもしれません。


それにしても、

タクシーで高速道路を2時間近く突っ走る
(そいて、メーターが4万円超えの数字を叩き出す)

・・・という経験は、めったにできるものではない・・・ことは確かでしょう。

今回のメインイベントは“一畑電車デハニ50型体験運転”だったのですが、最後の“代行タクシー”のインパクトが、あまりにもありすぎました・・・

(おわり)
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No title

ご報告からするに、乗換えの不便あったにせよ何とか乗客を送り届けようとするJR西の姿勢が見えますね。

当方は羽田発広島行きの航空機で、上空旋回の挙句2回目の着陸も取りやめとなって羽田に戻ったケースに当たりました。
何より5分後に羽田を出た別会社の便は現地着陸したとの報、余計にやるせなくなって(後続の便に空きなかった事もあり)全ての旅程取りやめた次第であります。
現地で使うハズでした新幹線の格安チケットも映画の券もパー。
ホテルも当日キャンセル料取られるまで行きましたが、こちらだけは事情を汲んでもらったのか免除と相成りました。

災難でした・・・

ねるねるさん、コメントありがとうございます。
確かに、最後の方は「何が何でもこの日のうちに関西へ!」という意気込みは感じました(名古屋や首都圏に向かう乗客は岡山で“強制一泊”だったのでしょうが・・・)。他方で、山間の江尾駅で3時間待たされた側からすると、代行輸送するならするで、もう少し早くできなかったのか・・・という気も、しないでもありません(段取りがイマイチというか、指令と現場のやりとりがちぐはぐというか・・・。運転継続か代行輸送かの判断が、車内放送で聞く限りではかなりグダグダという印象を受けました)。
ちなみに、その後の運転情報の推移を後日確認したところ、(江尾駅をタクシーで出た直後の)21時頃には徐行にて運転再開、そして、(最初に通過した列車が安全を確認したのか)22時前には通常速度での運転に戻っていました。もっとも、そのまま「やくも」号に乗車していては、「みずほ610号」に間に合わなかったとは思われます(岡山駅で列車ホテルか、駅構内で一晩を明かすか・・・)。

> 当方は羽田発広島行きの航空機で、上空旋回の挙句2回目の着陸も取りやめとなって羽田に戻ったケースに当たりました。
・・・と、ボヤいてみましたが、「発地に強制的に戻される」よりはマシなのか・・・(岡山や岩国といった近隣空港に着地変更・・・とは、ならないんですね)。
広島空港には行ったことがないのですが、山の中なので何かと視界が悪くなりがち・・・ということは、聞き及んでいます。
せっかく手配したものがことごとく無駄になるのは・・・やるせないところですね(たとえ航空券代は返ってくるとしても・・・)。
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Author:キモプアの紙
キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

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