ダブルトラックにおける知名度の差(高速バス編)

規制緩和が喧伝されたのも今や昔・・・。
航空機にせよ高速バスにせよ、需要の多いところには複数の選択肢が用意される・・・というのが当たり前になって久しいです
(東京~大阪間なんて、新幹線に高速バスに航空機・・・と、会社ごとの違いを踏まえると、いったいいくつ選択肢があるのやら・・・
(そして、そうして多数用意された選択肢から排除された、悲しき“夜行列車”・・・いや、「サンライズ出雲・瀬戸」号で、上りだけは辛うじて利用できますが・・・))。

今世紀になってからは“インターネット予約&キャッシュレス決済(クレジットカード決済等)”が急速に勢力を増していますが、地方部においてはまだまだ


チケット売り場で購入する
(その場で予約するか、電話予約するかはともかくとして・・・)

需要にも、根強いものがあります。




P2190088_R.jpg
さて、先月地元(松山)にしばらく籠もっていたことがありましたが、ふと気づいたのです。
品悪く単色に塗りつぶされたアレな電車・・・というのはともかくとして・・・

P2190003_R.jpg
その車内に・・・
(ラッシュ時を過ぎた末端区間だったからか、この車両にいたのは私だけ・・・)

P2190091_R.jpg
デカデカと掲示されている自社(伊予鉄バス)高速バスの宣伝

画像としては特に撮っているわけではありませんが、鉄道線(郊外電車・市内電車とも)の車内はもちろんのこと、一般路線バスの車内にも、必ずと言っていいほど自社高速バスの宣伝があります

加えて、地元で発行される地方紙(愛媛新聞)を実家では購読していますが、新聞に週に1度(2度だったっけ?)掲載される公共交通機関の時刻表(高速バス、主要船便)において掲載されるのも、高速バスに関しては伊予鉄バスとせとうちバスの路線のみです
(宇和島自動車の路線は・・・掲載されていたか・・・あまり記憶にない・・・orz。また、伊予鉄バスとJRバスが共同運行にどちらも加わる松山~高松・徳島・岡山線は、JRバスについても掲載されます)。

さらにいうならば、伊予鉄グループは地元民放でCM--とりあえず、夕方のニュースの際にはいつも流れている模様--をバンバン流しているのに対して、JR四国バスがCMを流しているのは・・・そういえば記憶にありません
(親会社のJR四国がダイヤ改正の前後にCMを流すことは時々あります・・・)。



こういった事情からか、インターネットになじんでいないというか、高速バスについてあえて調べようとしない人々にとっての知名度は

伊予鉄バス>>>[[[越えられない壁]]]>>>JR四国バス


・・・という現実があるように、思われます。

実際、松山発着の大阪(梅田)・神戸(三宮)・京都線の利用者を合計すれば、伊予鉄と共同運行会社の運行する路線の方が、JRバスグループよりも“多い”でしょうしね・・・
(ただし、免許エリアの広さを活かして京阪神路線を一路線に統合しているJRバスと、発着地に応じて三路線に分けている伊予鉄グループでは総便数と提供座席数に圧倒的な“差”があることも、事実としてはあるのですが・・・)。




思えば、大昔に読んだ『新版・高速バス大百科』(鈴木文彦著、1991年刊)において、JRバスは“知名度と営業力”という点で、民間バスに劣ることが多い(ただし、東京駅バスターミナルだけは別)と書かれていたことがありまして、当時「ふーん」と思いながら読んでいたものですが、松山~大阪線にかんしていうならば、今も事情はあまり変わらないのかもしれません

だからこそ、JRバスグループは「早売5」を導入したり、インターネット割引を導入したり、ネット上での座席指定--これは、「発車オーライネット」経由であるならば、伊予鉄バスグループも近年“ようやく”追いつきましたが・・・--に対応したり・・・と、改善の手を打ってきたのでしょう。

時間帯によっては、同じような時間帯であっても伊予鉄バスグループの担当便よりもJRバスグループの担当便の方が“混んでいる”ことも出てきているようです(「発車オーライネット」ではJRバスの「松山エクスプレス大阪」号は車内の半分強の座席しか割り当てられていないので(残りは「高速バスネット」枠となり、双方を俯瞰する空席検索は、インターネット上ではできないですね・・・)、実情以上に混んでいるように“見える”ことがあるにしても・・・

また、昔に比べればインターネットの普及率が激増し、実際にチケット売り場に買いに行くよりは、ネット上で予約して、決済もネット上で完結させる需要も、それに応じて増えていることが容易に推定されます。

実際、(クレジット決済はあまり使いたがらないので、コンビニまで支払いにチマチマ行くことが多いのですが)私にとってもネット上での予約と座席指定は“デフォルト”ですからね・・・。


ですから、松山~京阪神間の高速バスでいいますと、昔よりは伊予鉄グループとJRバスグループの“差”も減ってきたのでしょうが、“知名度”--特に、普段高速バスを使わない層--という点では、まだ“差”があるようにも思われます。

同じように鉄道と高速バスを運営するといっても、競合しない伊予鉄であれば、鉄道車両に高速バスの広告があっても何の問題もないのでしょうが、JR四国バスとJR四国は“ガチに競合”しますからね・・・

いくら“親会社と子会社”の関係といっても、さすがにJR四国の特急列車の車内にJR四国バスの高速バスの広告は掲出できないのでしょう・・・
(そもそも、料金を徴収する特急列車の車内で広告が存在感を放つのはどうなのよ・・・という説もありますが・・・)。


ついでに言うならば、全国各地で勢力を広げている、いわゆる“移行組”の事業者、四国内ではあまり存在感がありません。
特に、私が普段から行き来している松山~京阪神間であれば、ウィラーが夜行便を1往復させているだけではないでしょうか(私が知らないだけで、ほかにもありましたらあしからず・・・)。
それだけ、既存事業者の力が強いことの裏返しなのでしょうね・・・。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

お互いが削り合うのではなく…

お初になります。
伊予鉄とJRの松山~京阪神のダブルトラックは、確かに「設備や運賃での差」は少ないように思えますが、知名度ではやはり地元資本の伊予鉄が強いというのが実情なのでしょうね。

とは言え、ダブルトラックも、ある程度の競争力を高める意味ではいい作用をしますからね…(同様な例が高岡~名古屋線の地元加越能と後発のイルカ交通)
まぁそれをごたごたにしてしまったのが岡山地区の問題でもあるので紙一重なのかもですが…

それと、四国では所謂「元ツアー系」は進出しても撤退が多いようで、地元貸切バス事業者(コトバスや高知駅前観光)以外ではWILLER位ですね(東京方面にもう1社松山から出てたのですが、撤退してしまいました…)

Re: お互いが削り合うのではなく…

雪兎さん、はじめまして。
コメントいただき、ありがとうございます。

今回の記事は、あくまでも「松山での事情」です。大阪をはじめとして、京阪神エリアではそこまでの格差(知名度・集客力・営業力)はないように思われます。
もちろん、阪急は自社の電車に高速バスの広告を掲出している一方で、JR西日本は出さない・・・という違いはありますが、新聞、テレビCM等は、どちらのグループも底まで積極的ではないでしょう(テレビ不所持につき、実感としてはわかりませんが)。
また、西日本JRバスの大阪駅JR高速バスターミナル、阪急三番街バスターミナルよりも設備がすぐれてもいれば、立地も良好です。その意味では、松山側の立地が市駅かJR松山駅かという違いも、決して小さくはないのかもしれません。

また、ダブルトラックやトリプルトラック(首都圏~京阪神のような大動脈では、トリプルどころでは済まないのですが)も、競争でサービスや価格が無理のない範囲で活性化されるならば結構なことですが、みんな倒れてしまってはどうしようもありません。
その意味では、例として挙げていただいた高岡~名古屋間にしても、松山~大阪間にしても、今のところは健全な競争になっているように思われます。イルカ交通、関西圏には来ないので縁がないのですが、なかなか積極的な取り組みには感心します「きときと」というネーミングセンスもすばらしい。
岡山では・・・(高速バスの話ではありませんが)、結局は両備グループが廃止届を取り下げることになりましたが、クリームスキミングというのも、それはそれで難しいところです(立場によって利益も変わってきますし・・・)。

それにしても、四国は地元資本の移行組(例に挙げてくださったコトバスや高知駅前観光に加えて、徳島の海部観光もいろいろと面白い取り組みを実施していて興味深いところです)はまだしも、全国レベルの移行組がなかなか入ってこないのは、やはりそれだけ既存事業者が強いからか、地域密着型である程度伝統のある事業者でないと乗客に選ばれないからか・・・どうなのでしょうね(愛媛に関してのみ、地元の貸切事業者が新高速バスに移行する気配がないのも・・・採算にならないからなのかどうなのか・・・)。
プロフィール

キモプアの紙

Author:キモプアの紙
キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ