「やくも26号」の旅

「ばたでんの旅(その④)」のつづきです・・・

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しばらく更新できない状態が続いて何ですが、8月下旬の某日、「青春18きっぷ」片手に山陰地方に出かけて、一畑電車(ばたでん)の全線に乗り通してきたことがありました。

さて、夕方前までばたでんに乗ってウロウロしておりましたが、そろそろ帰らなければなりません。
帰りについては、久しぶりに381系電車に揺られて帰ることにしました(当然ながら18きっぷでは乗車できないので、乗車券・特急券を別途購入しています)。




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・・・ということで、やってまいりましたのは16時過ぎのJR出雲市駅です。
相変わらず存在感のある駅舎だことで・・・。

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構内にはジオラマ(?)っぽいものが設置されていたのですが、よくあるNゲージだとかプラレールと見せかけて・・・





ダ※ソー・プチ電車・・・やんけ・・・(苦笑)

(いや、「サンライズ~」も製品化されているので、その意味ではちょうどいいのかもしれませんが・・・)。


そんな構内を抜けて、みどりの窓口で乗車券と特急券を購入しまして・・・

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高架ホームにやってきました。

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先程降り立った一畑電車の出雲市駅を望む・・・
(なお、改札がつながっているわけではないので、高架下をチンタラ歩いて移動する必要があります)。




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16:09、「やくも13号」が到着しました。
まがりなりにも学校は夏休み期間、指定席に乗車する際には特急料金が割り増しになる“繁忙期”でありながら、所定の4連で間に合ってしまうのが、「やくも」号の難しい“現実”なのかもしれません・・・

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伝統ある国鉄形車両による特急列車も、すっかり少数派になってしまいました
(JR西日本では、この「やくも」号の381系電車が、今や“唯一”となっている状況です。かつては485系やキハ181系がゴロゴロいたはずなのですが・・・)。

塗装こそ“別物”になりましたが、圧倒的な存在感は健在です。

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そして、全く制御する気のない(苦笑)、純然たる自然振り子式車両も、381系のみとなりました。

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そんな「やくも13号」の隣にやってきたのは、はるか新山口駅からやってきた「スーパーおき4号」です(出雲市駅16:14発)。
何気に、“しまねっこ”のラッピングされた編成が充当されていました。




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さて、その「スーパーおき4号」が出てしばらくすると、ホームには「やくも26号」となる381系電車が到着です。
ちなみに、先程見かけた「やくも13号」の編成がそのまま折り返す・・・のではなく、車庫(後藤総合車両所出雲支所)から回送されてきました。

例によって、ゆるいのか何なのか“微妙”なキャラクターに迎えられつつ・・・

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車内に入ります。
ちなみに、乗車した列車は、基本4連に3連が増結された“7連”にて運行されており、これで陰陽連絡特急としての“体裁”も保たれているというべきか・・・。

なお、増結されているのであれば自由席も2両あるので--他方で、基本4連の場合は、自由席は1両のみ--、始発駅からの乗車ということもあって自由席でもよかったところですが、そこは“特急券を記念品にする”という意図も込めて--あと、隣に人が来ないという期待も込めて--指定席です

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「最後列」という希望は出しましたが、特に号車の希望を出さなかったところ、増結編成に位置する6号車が指定されました
(モハ381-73)。

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低重心化に心血を注ぐ振子車両でありながら、座席部分がハイデッキ化されているのが、“ゆったり”編成の大きな特徴です。
このハイデッキ化により足元の配管の出っ張りもなくなっているので、座席周りの居住性は相変わらずいいですね・・・

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艶めかしい(?)曲線を描く座席。
他の系列では見かけません。

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フルリクライニング状態。
座席形状の妙もありまして、ホールド性もよく、クッションもきちんと詰め込まれた、在来線特急普通車としては、かなり出来のいい座席です

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他方で、原形の910mmからシートピッチを1000mmへと大幅に拡大した代償として、窓割が合っていないとか、ぼっち席ができたりといった弊害も・・・
(このぼっち席、通路側に設置されているうえに窓割りも悪いので、全く“アタリ席”という気になりません・・・)。




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振子車・低床構造ということもあって、デッキには段差も。

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洗面所。

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ガタガタ揺れる振子車ということもあってか、昔から“エチケット袋(ゲ※袋)”が、洗面所には備え付けられています。


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デッキを抜けると、隣(5号車)は自由席車です(画像は岡山駅到着後のもの)。
なお、「やくも」号の増結編成では、4・5号車が自由席となります。


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他方で、自由席車の中に緑のシートカバーで「指定席」。

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種明かしはごらんのとおりで、たとえ車両全体が自由席車であっても、車椅子対応席については「指定席」として扱うのが、JR西日本の基本的なスタイルです
(これは、他路線でも同様。四国では、車椅子対応席が自由席の中に普通に紛れ込んでいますけどね・・・)。
ハイデッキ化しているのはいいのですが、それゆえに車椅子スペースの設置には苦労も多いようで・・・。

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4号車と5号車の間には、運転室と貫通路が挟まれています。

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やる気のない“平面特急シンボルマーク”もあるよ(苦笑)




さて、車内をウロウロしているうちに発車時間となりました。
定刻通り、16:30に「やくも26号」は、出雲市駅を発車しました。
出雲市駅からの乗客は決して多くなく、わが6号車指定席に至っては10人がいないような状況・・・。

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閑散とした車内のまま、夕暮れ迫る山陰本線を東へ向かいます。

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時々車体を傾けながら・・・(苦笑)。
なお、山陰本線でも振子機構は固定されることなく、遠慮なく車体を傾けながら走って行きます。

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先程は一畑電車で“北側”から眺めていた宍道湖にさしかかりました。
JR山陰本線は“南側”を走ります。

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北側から眺めても南側から眺めても“いい景色”であることに違いはありませんが、特急列車で速度も--一畑電車に比べれば圧倒的に--速い「やくも」号で眺めていると、あっさりと過ぎ去ってしまうのが、物寂しくもあり・・・。

松江、米子各駅では、自由席車にはそこそこの乗車があったようですが、わが6号車への乗客はそれほどでもなく、最終的には15名程度の入りで落ち着きました。
なるほど、基本4連で間に合っている列車も多いことが納得できる状況で・・・
(もちろん、時間帯による波動もあるのでしょうが・・・)。



そういえば、単に出雲市から京都に帰ることを考えるならば、どう考えても高速バスの方が有利です(本数の多い大阪線「くにびき」号はもちろんのこと、京都線としても「出雲エクスプレス京都」号があります)。
所要時間の差は1時間程度(大阪線)、1時間半ほど(京都線)、運賃はバスの方が圧倒的に安く(ほぼ、JR運賃相当額)、全便3列シート車・・・と、何やら松山~大阪間と似たような状況です

私が移動した時間帯でいうならば、出雲市駅16:20発の「出雲エクスプレス京都」号に乗れば、1時間半ほど遅くなるものの、乗り換えなしで京都駅につきます。そして運賃は圧倒的に安い・・・(JR特急~新幹線の乗り継ぎと比較して、おおむね6割程度)。

いや、エアロキングでも充当されていればバスを選択したかもしれませんが(なお、出雲市駅の高架から見ていた限りは、クレイドルシート装備のセレガが充当されていました)、


381系電車に乗ることができるのも今のうち

・・・という思いで、あえてお高い特急料金(新幹線特急料金を含む)を払っても、JR利用で帰っている次第・・・。

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さて、そんなことを考えているうちに、列車は伯耆大山駅を通過して・・・

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伯備線に進路を取ります。

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伯備線に入ると、進行方向左手には大山の偉容
このパノラマを堪能してもらえるように、電線をわざわざ移設したそうで・・・。

しばし、大山の偉容を堪能します・・・。

・・・それはいいのですが、伯備線に入ると・・・



揺れる、揺れるーよ、振子は揺れるーーーーー♪



・・・ということで、曲線通過時はもちろんのこと、とりわけ直線走行時にガタガタ揺れているのは、毎度のお約束です
(もちろん、山陰本線走行時にも揺れていますが、伯備線に入ると揺れと振動が増大します・・・。それを考えると、わずかながら走行する山陽本線では安定した走りを見せるわけで、線路規格って大きいよな・・・と)。


この「やくも」号。公式の愛称は“ゆったりやくも”なのですが、



“ぐったり”やくも
“ぐったり”“はく”も


・・・などと、口の悪いヲタは揶揄しているようで、確かに慣れていないとエラいことになりそうです
(そのためのゲ※・・・もとい、エチケット袋という側面もあるそうで)。


まあ、私なんぞはガタガタ揺れているのと車体がゴロゴロ傾いているのを喜んでいる人種--だからこそ、高い特急料金をあえて払って381系に乗っているわけですが--、多分少数派です。

「やくも」系統の381系は同系列としては最終グループで、昭和57(1982)年の伯備線電化時の導入。
381系としては新しい・・・といってももはや車齢35年ですから、そろそろ置き換えも近そうです。

座席周りは徹底的にリニューアルされ、掛け心地は相当に上級なのですが、肝心の足回りというか走りがこれでは、一般の利用者からの絶賛は得られなさそうです・・・。

事実、今年(平成29年)の夏には、JR四国の誇る8600系電車を借り入れて伯備線を試験走行させたそうですが、さて、後継車は空気バネ車体傾斜式になるのか、それとも振子車の新造に踏み切るのか・・・(あるいは、北陸新幹線が敦賀に伸びたら683系を召し上げるのか・・・)。

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はるか頭上を米子自動車道が走っていますが、高速道路と競争させられると、不利なのは致し方なし・・・でしょうか。

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この伯備線、特に備中高梁以北は山岳地帯を走ることもあって、急勾配、急曲線には事欠かず・・・

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川に沿ってウネウネと走っているわけですから、これで高速道路に対抗できるようにすっ飛ばせ・・・というのが、無理難題なのかも、しれませんね
(とはいえ、こんな線形でも伯備線は(少なくとも特急列車の本数的な意味では)陰陽連絡線のトップに君臨している・・・のですが)。

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当然トンネルも多いわけですが、トンネル通過中の車内のムードは・・・いいんですけどね・・・。




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そんなことを思っているうちに、列車は伯備線を走破し、最後一区間だけ山陽本線を疾走しまして、19:38、終点の岡山駅につきました。

乗客を降ろすと扉が閉まり、車内整理が始まるのですが・・・よく見ると、増結編成の先頭にいる7号車・・・

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なぜに方向幕? 号車札? 種別札?
(「ゆったりやくも」仕様車の列車名・行先表示器は、すべてLED表示器のはずなのに・・・)

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種明かしはこちら。
日根野や福知山の381系が定期運用を失った際に、一部の車両は後藤総合車両所までドナドナされてきていました。

そうしてドナドナされたはずの車両群が、「ゆったり」改造されて「やくも」号に充当されるようになっていたことは聞いていたのですが、

塗装と座席しか変えていない・・・

・・・ようで。

座席が交換されているならいいではないか・・・という見方ももちろん成り立つでしょうが、「ゆったり」化の大きなポイントは「ハイデッキ化による足回りのスッキリ化」でもあることを考慮すると、中途半端というか“やっつけ”というか。

他方で、近い将来の新車への置き換えを想定するならば、今更「ゆったり」化改造にゼニをかけてもなぁ・・・ということで、このような中途半端な改造になったのかもしれませんね
(もっとも、8600系の試験走行を活かした空気バネ車体傾斜式による新車が登場する可能性よりも、北陸新幹線敦賀延伸開業で余剰になった681系や683系あたりが転用される可能性が高そうな気も、しないでもありませんが・・・(福知山界隈や紀勢本線のように))。

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ともあれ、乗客を降ろした編成は車内整備の後、引き上げていきました
(そして、引き上げたと思ったら転線して、さっさと出雲市駅に折り返していくのですが・・・)。

「こだま752号(レールスター)」につづく・・・
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No title

JR西日本の運転士の方は、mixiで、(西と四国は車内ステッカーなどが共通化されているのだから、今度は振り子車両の基本設計も共通化すれば大量生産で車両価格が下がるのにと私が書いたところ)企業体質を考えると683の転用でしょうと予想していますが、新聞報道では新車導入も一応は検討中のようですから、今後数年内に動きがあるのでしょう。

最近私がすっかり視聴でハマってしまっている、最長JR切符の旅を複数回やっている学生のYoutube
(https://www.youtube.com/watch?v=rBGaP6Shppg) でもこの2車の違いを仔細に取り上げていますが、私もこれくらい滑舌よくなりたいものです(^_^;)

「やくも」のゆくえ

KAZさん、コメントありがとうございます。
コメントのとおり、「やくも」号の置き換えにおいて、最も可能性が高いシナリオは、北陸新幹線の延伸で余剰の出る683系の転用でしょうね(681系は・・・車齢的な意味でさすがに廃車でしょうか・・・。西日本なら使い倒しそうでアレですが)。
他方で、高速道路との競争を諦めている感もある--先頃、来年ダイヤ改正での白浜以南の減便構想が報じられていました--紀勢系統と違って、伯備線では高速道路とやり合う気概はあるようですから、それを考えると、確実に遅くなる一般形特急車の採用も、躊躇されるところかもしれません。

8600系の試験走行は、空気バネ車体傾斜式でどの程度の走行性能を出せるのか・・・というところもあるのでしょうが、(振子式よりは安価になる)空気バネ車体傾斜式で所要時間を維持するのか、所要時間増を覚悟で一般形車両を導入するのか、そのあたりの見極めをしたいというところも、あったものと思われます。
正直なところ、急曲線と急勾配がミックスされた伯備線は、紀勢本線よりも(そして、予讃線電化区間よりも)線形としては「悪い」とみなせますので、一般形車両では(許容できない)所要時間増になるのかも、しれませんね。実際、「サンライズ出雲」は「やくも」に比べて、停車駅が少ないにもかかわらず大幅に(山陰~伯備線区間の)所要時間が長いですし
(そして、西日本は、プライド的な意味で(?)四国の車両設計を流用する・・・などということを、しなさそうですね)。

> 最近私がすっかり視聴でハマってしまっている、最長JR切符の旅を複数回やっている学生のYoutube
→スーツさんですね。この方くらいいろいろなところをウロウロとしてみたいところですが・・・(現実はなかなか・・・orz)。
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キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

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