宇和海7号(TSE編成)・その①

「しおかぜ23号(8600系グリーン車)」の、つづきです・・・

7月が終わり、8月に切り替わりました8月1日。
“バースデイきっぷの旅”も、この日が最終日となります
(なお、7月生まれの私の場合、有効期間の開始日さえ7月に属していれば、8月にかかっても有効期間の続く限り利用可能です・・・。逆に、有効期間の終了日が7月にさしかかれば6月中の利用開始・・・というのは、できません)。

さて、過去の“バースデイきっぷの旅”において、最終日のスタートは、松山界隈では数少ない“乗りドク普通”こと、キハ185系3100番台充当の、下り913D(松山~伊予長浜~宇和島)を、ことごとく使ってきました(昨年の普通913D乗車記録は「こちら」。昨年のように、八幡浜駅で特急列車にリレーすることもありましたけどね・・・)。

これは、“バースデイきっぷ”の旅において、伊予長浜経由の予讃線に乗車することは--沿線の雄大な景色的な意味で--重要ではあるものの、この列車以外では、明るい時間帯に雄大な伊予灘の景色を“クロスシートで”(←コレ重要!)拝めないから・・・という、身も蓋もない理由によります。
キハ54にせよ、キハ32にせよ、ロングシートで首をひねりながら伊予灘を眺めたところで、ありがたみ激減ですからね・・・。

もちろん、土日祝日を選べば「伊予灘ものがたり」号という選択肢もあるものの、年がら年中混雑していて、とてもではないですが(直前では)手配できたものではない・・・と(キャンセル待ちに賭けるという手もありますが、リスキーですね・・・)。




しかし、今年は少し趣向を変えてみることにしました。

・・・というのも、この3月のダイヤ改正から2000系試作車(俗に言う“TSE編成”)の運用が変更され、比較的乗りやすくなった・・・というのがひとつの理由。

そして、2600系量産先行車が投入された今となっては、いよいよTSE編成も“風前の灯火”か・・・ということで、今のうちに“乗り納め”をしておこうというのが、もうひとつの理由です・・・。


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・・・ということで、やってまいりましたのは朝8時を回ったところのJR松山駅です。
朝6時発の913Dに乗ろうとすると、ここまで歩いてこなければならなかったり、あるいはタクシーを使わなければならなかったりもするのですが、この時間だと伊予鉄バスでやってくることができるので、費用がかからなくて(あと、疲れなくて)、助かります。

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“松山”駅なのに、“今治”名物のバリィさん先生は・・・いったいいつまで鎮座しているのでしょう・・・
(まあ、広い意味で“愛媛名物”という位置づけなのか?)。

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“松山”駅といえば、台湾にも同じ漢字表記--ただし、読みは違う模様--の駅があるそうで、何気に姉妹駅として位置づけられているそうです(そういえば、台湾にも“松山”空港があるそうで、松山発松山行きの定期航空路線を・・・という運動も一部にあるそうで・・・。定期化するほどの需要はなさそうですけどね・・・)。

その関連か、JR四国と台湾鉄路管理局も友好鉄道協定を結んでいるそうで、台鐵の特急列車をイメージした8000系ラッピング車も存在しますが、そういえばこのときは遭遇せずじまいでした・・・。

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バースデイきっぷを提示して、ホームに入ります。
一応朝8時過ぎ、特急列車は去って行ったとはいえ、普通列車が立て続けに到着する--松山駅基準での--ラッシュアワーのはずですが、単行の列車が立て続けにやってくるというアレな現実・・・。

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これから乗車いたしますは、特急「宇和海7号」です
駅本屋から階段抜きにアクセスできる1番乗り場からの発車となります。
ただし、1番乗り場は宇和島特急と岡山・高松特急の“縦列停車状態”となりますので、ホームの南端へと歩いていく必要があります・・・。

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四国最大の50万都市の代表駅の割には“しょぼい”と揶揄される松山駅・・・。
駅の南東には貨物駅の設備があります。
もっとも、ここを発着する貨物列車も、今や1日1往復のみです・・・。

なお、松山駅は現在高架化工事中--実際には、運転所の移転工事を優先して進めているので、駅周辺では何も変化がないのですが--で、貨物駅の設備は高架化にともなってどうなるのか・・・と注目されたものの、結局は貨物駅の機能も移転させて存続させるそうで・・・。

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今となってはすっかり稀少品となった国鉄形のEF65形が、毎日松山駅までやって来ます。
なお、予讃線の変電所の容量がアレなので、新居浜以西にはEF210形をおいそれと導入できない・・・という説もありますが、さてどうなのでしょうね・・・
(変電所容量説が事実であれば、EF65形が全廃になると、松山への貨物列車も存続できないことになりそうですが・・・はてさて・・・)。




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さて、駅の西側に広がる運転所の方向に目を向けると・・・



いましたいました、2000系試作車(TSE編成)

前日の「宇和海31号」で宇和島に下り、この日の上り始発となる「宇和海2号」で折り返してきて、運転所で折り返し整備中です・・・。
しばらくの間、宇和海1号~6号~17号~22号・・・という、1日わずか2往復しか走っておらず、なかなか乗車できなかったTSE編成ですが、この3月のダイヤ改正で運用が変更されるとともに充当本数も増やされまして、少しは乗車チャンスが増えました。

見方を変えると、2000系でも最古参となるTSE編成の運用を増やす必要があるほど、相変わらず2000系の車両運用がカツカツというか綱渡りであることの裏返しなのかも、しれませんけどね・・・
(8600系の導入は、予讃線の電化区間に残る2000系の置き換えを主眼としていたはずですが、8600系導入後も、2000系の運用に余裕が出たという話を、あまり聞きません(状態の悪い車両に休車をかけたり、使い勝手の悪い中間車に休車をかけたり・・・といったことは、しているのかもしれませんが・・・))。

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そんな松山運転所の奥には、キハ54の名物車両こと“おさんぽなんよ”が、運用を終えて一休みしていました・・・。




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さて、発車時刻の15分ほど前になると、松山運転所から出てきたTSE編成が、1番乗り場に据え付けられます。

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昨年の“バースデイきっぷの旅”では、八幡浜駅で「宇和海6号」に充当されているのを見送るしかなかったTSE編成・・・。
ひさびさに乗車する機会に恵まれました・・・(“恵まれた”・・・というか、捻出しました・・・)。

量産車の先頭車は(N2000系を除き)、警戒色を兼ねた黄色帯がありますが、TSE編成にはありません。
黄色帯のない方がダサくない・・・もとい、“スタイリッシュ”に思えるのは、四半世紀前からの変わらぬ印象です・・・

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流線形の先頭形状で全室普通車となるのも、この2001号だけの特権です
(2002号以降の2000形量産車は、グリーン・普通合造車となりますからね・・・)。

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さて、発車の1時間近く前から無駄に先頭車の乗車位置に並んでいるだけのことはありまして、先頭展望席を確保です
流線形の大型の前面窓からの展望は、グリーン車からであっても、普通車からであっても良好です。

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並んでいれば展望席を確保できるのも、下り方の先頭車である1号車が自由席となっているおかげです。
そういえば、こうして“サボ”がさし込まれる特急車両も、すっかり稀少品ですね・・・。

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仕切扉もごらんのとおりです・・・。

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少々くたびれ気味の座席ですが、バブリーな時代--TSE編成の製造は平成元年--に、ゼニをかけて製造されているだけあって、ソファのごとき柔らかい掛け心地は、いまもなお良好なものです。

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量産車のバックシェルがFRP(白い)な座席と異なり、背面も含めてモケットで包まれているのが、TSEの座席の特徴です。

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入線直後にはガラガラですが、発車時間が近づいてくると何だかんだいってもそれなりに埋まるのが、「宇和海」号の光景です・・・。

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飾りっ気のない床。
なお、量産車と異なり、TSE編成のフットレストはバータイプのものとなっています(量産車は跳ね上げ式・・・)。

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2号車・2201号の荷物置き場(かつての車販準備室)。
もっとも、いかに日本とはいえ、仕切扉の外で客室から目が届かないところ・・・ということもあってか、ちょっとここには荷物を置きにくいのが実情でしょうか・・・。

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同じく2201号には、業務用室も設置されていました。

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3号車の2101号にやってきました。
昨年のダイヤ改正から、「宇和海」号の指定席は上り方に設置されるようになりました。
要するに、岡山・高松特急の指定席の位置と近づけようというわけですが、おかげで1号車は自由席となり、下り列車の場合、並んでさえいれば展望席が確保できるのですから、個人的にはありがたいところ
(逆に、上り列車の展望席が欲しければ、座席指定を賭けて争奪戦・・・と)。

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例によって、青い枕カバーの座席が指定席です。
指定席と自由席で座席に差がない・・・というのも、他の2000系充当列車と変わるところはありません。

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2101号を外から眺めてみる。
登場時は貫通型でしたが、いつの間にやら貫通扉は閉塞されてしまいました・・・。

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「一部指定席」のサボを眺めることができるのも、松山ではTSE充当列車だけですね。

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こちら2号車・2201号の側面ですが、“TSE”の由来となった“TRANS SHIKOKU EXPERIMENTAL”の表記が消された後が、今もなお残されていました。
この、登場時の車両愛称にも示されているように、TSE編成が最初に投入されたのは、四国を横断する土讃線でした。
登場直後に、当時存在した「四国島内フリーパス」を片手に、自由席のあった「しまんと51号」に乗ってきたのも、今や昔です・・・。

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号車表示や自由席/指定席表示がサボである一方で、列車名/行先表示はLEDパネルという“ハイブリッド”仕様・・・。

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絞り込まれた裾は、振子車両の象徴です。

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そして、徹底的に高さが下げられた床も・・・。

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今でこそ全国各地で猛威をふるう--しかし、空気バネ車体傾斜式に徐々に切り替わろうとしている--制御つき振子車両ですが、登場時にはきわめて画期的な車両でした。
車両として評価されたことの証として、鉄道友の会のローレル賞を受賞してみたり(こちらは2101号のプレート)、

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(2001号にも同じプレートがあります・・・)

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鉄道車両としては異例とも言える、日本機械学会賞を受賞していたりもします・・・。




さて、2600系量産先行車が登場し、これがどこかの線区に投入されると--どこに投入されるか、まだ正式に発表されていませんが、これまでの流れからすると、「うずしお」号からでしょうかね・・・。実際に、営業初列車も高徳線を走りましたし--、玉突きで2000系がはじき出されて、回り回ってTSE編成が置き換えられる・・・というのは、いかにもありそうな話です

だからこそ(?)、当たり前のように走っているうちにTSE編成に乗車しておかなければ・・・という思いにもなったのですが、ではいったい、TSE編成はいつごろ全検を受けているのか・・・発車前の一時を使って確認してみました。

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2001号、平成28年9月

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2201号、平成29年2月

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2101号、平成21年11月








あれ、(2101号を除けば)ごく最近に全検を受けている・・・
・・・ということで、実は検査期限切れ→引退・・・という流れには、そうそう“ならない”のかもしれないような、気もしてきました・・・。

もっとも、酷使されてきた--世代が古いはずのキハ185系よりも、2000系の方が“走行距離”という面では上のはず--2000系のこと、検査期限切れを待たずに引退する可能性も無きにしも非ずですが・・・。
さて、TSE編成の走りやいかに・・・

先頭展望席に居座って、存分に堪能してみようではありませんか!
(↑誰に言ってんだよ?!)

「宇和海7号(TSE編成)・その②」につづく・・・
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No title

こんばんは。
いつも楽しく拝見しています。
2600系ですが、自分も高徳線投入の可能性が高いと思います。
現状、岡山直通のうずしお以外はキハ185系とそんなに所要時間に開きがないので、
2600系投入→N2000系捻出→土讃線や予讃線の2000系置き換えという感じに
なるのではと勝手に予想しています。
2600系が4両だけなのでTSE編成もしばらくは大丈夫そうですね。
2600系の増備車も製造はしていない様ですし(8600系増備車が製造中)。
そうはいっても、いつどうなるかわからないので乗車・撮影は
早めの方がいいのかもしれません。
長々と失礼しました。続き楽しみにしています。

2600系

鳴門エディさん、コメントありがとうございます。

> 2600系投入→N2000系捻出→土讃線や予讃線の2000系置き換えという感じ

これまでの2600系の運用状況を見ると、それが最も無難なシナリオでしょうね。
また、空気バネ車体傾斜式でありながら振子式の2000系と同等の曲線通過速度を目指すという2600系の場合、急曲線が続く土讃線にいきなり投入すると、乗り心地面での九条や不評が相当程度出てきそう・・・ということも、ありえそうな話です。
キハ185系と大差ない所要時間でN2000系が走る--実際には、余裕時分や運転停車を調整することで、「大差ない所要時間に揃えている」という面もあるのでしょうが--高徳線の方が、線形的な面でも、運転時分的な面でも、2600系を導入しやすいとはいえそうです
(・・・と、フラグを立てて土讃線で営業開始・・・となったら、もう笑うしかないのですが)。

このあたりは、2600系量産車に「キロハ」に相当する車両が含まれるかどうか・・・とも、関連するかもしれません
(もっとも、2600系への置き換えを機会に、土讃線特急からもグリーン車を廃止する可能性も、無きにしも非ずですが・・・)。

また、TSE編成のみならず、2000系初期量産車--そもそも、1989年製造のTSE編成と1990年製造の初期量産車では、車齢に1年ちょっとしか差がない--も、車両によってはかなりガタガタで、研修現場でも四苦八苦しているそうですから、できるだけ早く、一気に2600系の導入・・・としたいのでしょうが、それを許さないのが、JR四国の厳しい経営状況なのでしょうね・・・。

No title

某掲示板やここでの下馬評通り、「うずしお」に投入と出ましたね。
『空気ばねはタンクにためた空気で作動させるが、タンクの容量が限られており、同社はカーブの比較的少ない高徳線が運行に適していると判断した』
とありますから、ここを解決しない限りは高徳線以外への投入はなさそうです。

2000系については、高松への185系投入と入れ違いで大阪に異動になり、現在JR西日本で鉄道運転士をしている方がmixiで2013年のJR四国の運輸部長の談話
『アンパンマン車両の平均累積走行距離は600万キロを超え、同時期に投入した車両より100万キロ(定期入場2回分)走り込んでいる計算になります。現在、20年を超えた同形式車両の延命に取り組んでいるところですが、アンパンマン車両は別物として管理せざるを得なくなっています。 』
『土讃線のアンパンマン列車は、現在4両編成(オレンジ)と3両編成(グリーン)の2本、どちらも毎日が限定運用です。そのうち宿毛駅で毎日滞泊する4両編成は、整備を担当する高知運転所への入区時間が限られています。清掃や給油などの付帯作業計画や故障対応含めた検査計画の実行には、運行の乱れがあればその都度頭を悩ませているところです。深夜、検修の担当者達が滞泊先まで出向き、始発までに対処することもあります。 』

を引用してくださっていますから、本来はこれのほうが置き換え待ったなしなのでしょうが・・

タンクの容量・・・

KAZさん、コメントありがとうございます。
コメントいただいた通り、2600系の最初の投入列車は「うずしお」号となりましたね。
N2000系の2連とだいたい定員が揃えられているので、その意味でも好都合なのかもしれません。

他方で、空気タンクの容量が足りない・・・って、8600系で何とかなったから、2600系でもこれで何とかなるだろう・・・という発想で仕様が決定されたとすれば、なんともかんとも(もちろん、電車の8600系よりも床下スペースに余裕のない気動車の2600系のこと、屋根上にも空気タンクを設置する等、何も考えていないわけではないのでしょうが・・・)。
線形から考えると、予讃線松山以西(「宇和海」号)でもどうにかなるような気もしますが、カーブだらけの土讃線の場合、相当の仕様変更がなければ、無理そうですね・・・(こんなことならば、最初から振子式にした方が--迷走せずに済んだ分--安上がりになった・・・などと、なりそうで何だかなぁ・・・)。

また、2000系の累積走行距離が大変なことになっていることは容易に想像のつくところですが(1日に1000kmレベルの走行を25年以上続けているのですから・・・)、(アンパンマン列車は)600万キロオーバーですか・・・。
4年前の時点でそれなら、現在はもっと走行距離が伸びているわけで、(現在は半隠居状態の)TSE編成--といっても、現在のダイヤでは松山~宇和島間を3往復しており、1日の走行距離は600km近くに達しているのですが--よりも、確かに置き換えが急務になるのかもしれません。
もっとも、この調子ではもうしばらく、“だましだまし”2000系を使い続けなければならないのでしょうが・・・。
プロフィール

キモプアの紙

Author:キモプアの紙
キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

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