四国まんなか千年ものがたり・しあわせの郷紀行(その②)

「四国まんなか千年ものがたり・しあわせの郷紀行(その①)」のつづきです・・・

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さて、JR四国の誇る“ものがたり列車”の華といえば、食事サービスです。
姉分の「伊予灘ものがたり」号でも好評を博しており、妹分の「四国まんなか千年ものがたり」号でも、上下列車ともに導入されています。

もっとも、十分な調理スペースのない車内のこと、調理済みのものを大歩危駅で搬入するという手順になっているようで、2号車のカウンター付近には、ごらんのとおり“おとなの遊山箱”が並べられていました。

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乗車時の段階で、食事予約者の座席には、お品書き、お箸、おしぼり等がセットされています。
なお、このとき見かけた限りでは、乗客のほぼ全員が「おとなの遊山箱」を予約していたようです。
もちろん、私もバースデイきっぷの購入時に、食事予約券を手配しています
(言うまでもなく、食事代までは「バースデイきっぷ」に含まれませんので、そこは4500円自腹で払っていますよ・・・)。

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小歩危峡のほとりを走っているあたりで、アテンダントさんが「おとなの遊山箱」を予約者の座席に配膳して回ります。

一見するとコンパクト極まりなく、これで食事になるのかいな・・・とも思うところですが(私がクソデヴであることは措くとして・・・)、まあ、ご開帳。

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一の重。
手毬寿司中心の構成ですが、隅っこに入っている黄色い球体・・・寿司・・・と見せかけて、実はトウモロコシの揚げ物です(“しれっと”溶け込んでいるのも、ご愛敬というものか・・・)。

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二の重。
エビやタコのように、どうひっくり返しても“地元産”ではなさそうな食材もありますが--この列車の沿線に、海ありませんしね・・・--できる限り地元の食材を使おうとする姿勢は示されていました。

小ぶりの重であるにもかかわらず“ぎっしり”と中身が詰まっているため、大きさに反して割と食べ応えはありました。

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三の重。
地元産の果物やお菓子が詰められています。

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お椀の中は素麺。
こちらも、地元産の半田素麺を使用しています。

全体としては、“作り置き”という制約の中で、可能な限り“ホンモノ・地元産の食材”を提供しようとする姿勢は示されていたかと思われます。

また、入れ物が小ぶりだったので、クソデヴのお昼ご飯になるのだろうか--この“おとなの遊山箱”を昼食とするべく、正午頃には食事をとっていなかっただけに--じっくり味わいながら食すると、見かけに反して(?)割と食べ応えはあったりもします

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阿波池田駅を出る頃には、食後のコーヒーが提供されました。
こちらは、ポットでも使用しているのでしょうか、温かかったです。

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そして、締めはお茶請けとなる地元産の和菓子
コーヒーに合うんかいな・・・とも思いましたが、上品なお味でした。

普段“プア”な食生活しか送っていない私からすると、一食に4500円というのは、かなり思い切った支出になるのですが、流れゆく車窓を肴に、沿線の食材を用いて料理された“上品”な食事・・・お値段に値する価値はあったと、個人的には思うところです。




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さて、時系列は少し前後します。
阿波池田駅を出た列車は、ふたたび吉野川を渡ります。

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吉野川を渡ると、三好市の市街地を眼下に見下ろしながら、勾配を登っていきます。

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上り勾配の途中には、言わずと知れた坪尻駅。

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四国に二つしかないスイッチバック式の駅で、ある意味で“観光スポット”になっていることもあって、「四国まんなか千年ものがたり」号も停車します
(ただし、例によって客扱いはありません・・・)。

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わずか5分ほどの停車時間とせわしないですが、この駅を通過してしまっては観光列車の名折れというものですからね・・・。
多くの乗客が車外に出て、秘境駅の“気分”だけでも堪能しようとしています。

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もっとも、こうして「四国まんなか千年ものがたり」号のロゴマークがでかでかと掲出されていると、この列車での訪問客にとっては“いい記念”になるのでしょうが、純然たる普通列車での“秘境駅訪問者”にとっては、複雑な心境になるところかもしれません。

なお、ハチが生息しているらしく、アテンダントさんがスプレーを持って追い払っていました・・・。
そのへんは“秘境”の“秘境”たるゆえんかもしれません・・・。

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発車を告げるアナウンスにせき立てられるように、車内に戻ります・・・。

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わずかな停車を終えて、列車は一時的に進行方向を変えます。

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秘境駅らしく(?)、眼下には滝がありますが、抜かりなくアテンダントさんが案内し、乗客は無駄にカメラを向けるという、いつもの光景・・・。

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再び向きを変えて、列車は先を目指します。

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そういえば、日よけは原形のカーテンから、“すだれ”に換装されていました。

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ちなみに、車端には前方の風景を映し出すモニターがありますが、“リアル窓”から外を眺めている乗客の方が圧倒的に多いのも、この列車のお約束でしょうか・・・。

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トンネル内の車内。
電球色の照明に照らされる車内は、まさに“おとなの隠れ家”(?)。

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猪鼻トンネルを抜けて四国山地を抜けると、讃岐財田駅で運転停車となります。
下りの「南風」号に道を譲るための交換停車ですが、きっちりとホームに出ることができます・・・。

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下りの「南風15号」が猛スピードで駆け抜けていきました。
ちなみに、駅前の何やら御利益のある“木”についてもアテンダントさんは案内しておりまして、実際に構内踏切を渡って眺めにいった乗客もいたようですが、私はそこまでできませんでした・・・。基本的に運転停車なのでこの駅の停車時間、短いですしね・・・。

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平野部を相変わらずのんびりと走ります・・・。

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そして、アテンダントさんが籠をもって車内をまわり、車内販売のお時間です。
せっかくの記念すべき初乗車ですから、クリアファイルとストラップを購入してみました。

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クリアファイルは記念品のド定番ですからいいとして、このストラップ、何気に出来がよかったです(デフォルメしながらも、細かいところまでよく再現しているという意味で・・・)。

なお、車内で受けたサービスや車内販売で購入したものの代金については、琴平駅に着く前に、アテンダントさんが車内を巡回して一括して精算していきます。
琴平駅まで降車扱いがない「四国まんなか千年ものがたり」号だからこそできる、扱いですね・・・。




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16:31、大歩危駅から2時間ほどの旅路を経て、琴平駅に着きました。

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「おとなの遊山箱」の注文者については、琴平駅で“フェアウェルサービス”を受けることができます。
「四国まんなか千年ものがたり」号の利用者専用のラウンジが設置されており、ほとんどすべての利用者がラウンジに押し寄せているだけあって、ラウンジ内は大混雑になっていました
(この画像ではあまり混雑していないように見えますが、この画像はいったん琴平駅舎を眺めてからラウンジに戻ってきてからのものなので、多くの乗客が車内に戻っています・・・)。

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こんなドリンクが利用者にふるまわれました。
凍ったイチゴのほのかな酸味が、夏空に照らされた体に染み渡る・・・とでも、いうところでしょうか・・・(味が上品な代わりに、量は物足りなかった・・・というのは、個人の感想です)。

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ラウンジ内には、HOスケールの「四国まんなか千年ものがたり」号の模型が展示されていました。

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ラウンジの利用者は、改札を経ることなく駅舎の外に出ることができます。

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伝統ある琴平駅舎も、ものがたり列車で降りたって着くと、違って見える・・・ような気がします。

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昨年は工事中だった琴平駅のホームも、すっかりリニューアルされていました・・・。




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琴平駅を出ると、単線区間ながら、一気に列車密度が増えます。
隣の善通寺駅で、下りの「南風17号」と交換します。

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次の金蔵寺駅でも、普通1243Mと立て続けに交換します。
琴平駅で降りた乗客も若干いたようですが、圧倒的多数の乗客が執着の多度津駅まで乗車していました。

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なお、琴平駅を出るとアテンダントさんが「最後のご挨拶」ということで、各座席を回っていきます。
座席に座っている乗客と同じ目線になるように挨拶して回るのは、さすがというべきかなんというべきか・・・。

“バースデイきっぷ”にて乗車している旨申し出てみたところ、このような“記念カード”を用意してくださいまして、恐縮・・・。
中身については、ぜひバースデイきっぷで実際に乗車して確認してください・・・ということで、ヘボブログでは公開いたしませんが、


アテンダントさんの全面“手書き”という、想像以上のものでした・・・
(出来合いのカードに乗車日と簡単なメッセージを手書きで記入するくらいかと思ったら、そんなものではなかった・・・ Σ( ゚Д゚) スッ、スゲー!!)

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ちなみに、2号車のカウンターには乗車記念証と記念スタンプがあります。
こちらはセルフサービスですから、各自で取りに行きましょう・・・
(私は琴平駅で初めて気がついて、慌てていただいてきたのですが、慌てすぎてスタンプを上下逆に押したというオチがつきます・・・orz)。

コースター(季節ごとに変わる)については、ドリンクを注文すると配布され、記念に持ち帰ることができます
(それを使うなんてもったいない・・・というオチに、なるんですけどね・・・)。

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“手書き”・・・といえば、アテンダントさんの手によると思われる沿線マップも、ぬかりなく用意されていました
(ただし、こちらはさすがに1枚1枚手書き・・・ではなく、手書きの原稿を印刷したものですが・・・)。




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17:16、ほぼ3時間の旅路を終えて、終点の多度津駅に着きました。
アテンダントさんに見送られて、旅の余韻残る列車から降ります・・・。

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20分ほど多度津駅のホームに停車した後で、車両は所属する高松運転所へと回送されていきました。
どうせ高松運転所と多度津駅の間を回送しているのであれば、高松駅発着とする方が、乗車時間も長くなれば、前後のアクセスも圧倒的に容易になると思われるのですが、アテンダントさんの人員配置(あるいは勤務時間)の面で問題でもあるのでしょうか。

高松駅のホーム数にはそれなりに余裕があるでしょうし、どうせ回送で走るのであれば、多度津~高松間にスジを入れることにも問題はなさそうに思うのですが、無人の車内で回送されていく様を見ると“もったいない”というのが、偽らざる実感でした・・・。




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・・・ということで、「四国まんなか千年ものがたり」号の乗車記でした。

先日の報道によると、運転開始(平成29年4月1日)から3ヶ月間の平均乗車率は95%オーバーだそうでして、まあいつ乗っても大体満席・・・という状況です。
私が乗ったときも、ほぼ満席でした(1号車でいえば、2-B席の1席が空いていただけでした)。

乗ってみるまでは、微妙にアクセスの悪い--なにせ、大歩危駅にしても琴平駅や多度津駅にしても、多くの利用者が四国入りに使うであろう航空機や高速バスといった交通機関では、そう簡単にアクセスできません・・・。自家用車で乗り付ける場合は、また変わってくるのかもしれませんけどね・・・--区間を走るのに、どうして連日満席になるのやら・・・と思っていたのですが、


乗ってみて納得しました・・・


ゆとりがある空間、(8600系電車や2600系気動車と同じ)JR四国の社内デザイナーによる雰囲気づくり、土讃線でも最も風光明媚な区間の魅力、沿線の歓迎やおもてなし、何よりも、アテンダントさんによるきめ細かい対応・・・といったものの相乗効果により、


魅力ある非日常空間

・・・が、うまく演出されていました。

なるほど、わざわざ“乗りに行く”だけの価値は見いだされるでしょうし、これからリピーターも増えていくことでしょう。
なお、料理メニューについては季節ごとに入れ替えがあるそうですし、沿線の季節の移り変わりに応じて、アナウンスやおもてなしの内容も入れ替わるとか・・・。


また、“特急グリーン車扱い”などというと、仰々しく思われるかもしれませんが、見方を変えますと、

駅のみどりの窓口や旅行センター等で、1人から気軽に誰でも購入できる
(もちろん、空席のある限りで、とはなりますが・・・)

・・・ともいえるわけでして、超富裕層だけを相手にするクルーズトレインと比べるのは間違いとしても、旅行商品/ツアー扱いの同種列車に比べると、比較的“ハードルが低い”という見方もできそうです
(まあ、私のようなキモいプアでも乗車できるしな!)。


こうして“妹分”の魅力と実力を目の当たりにすると、“姉分”の「伊予灘ものがたり」号にも乗車してみたくなりましたが、あちらもあちらで、グリーン券の確保が至難の業なんですよね・・・orz。

「普通1250M~快速マリンライナー56号」につづく・・・
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やっぱりグリーン

6月にデスティネーションキャンペーンで四国を巡ってきました
「四国くるりきっぷ」で十分に堪能できたので、今年のバースデイきっぷは普通車でいいかと思っていたんですが・・これを見せられると迷います(^^;

土日に休めるのが珍しいので観光列車はいつも無視していましたが、ものがたりは金曜があるので何とかなるかも・・
私も予約が取れたら贅沢したい(^^)



Re: やっぱりグリーン

またたびさん、コメントありがとうございます。
「四国くるりきっぷ」・・・関西圏から四国を目指すのであれば、往復の交通費も含めて3日間約1.5万円というのは、かなり魅力のある価格設定だったと思います。
・・・思いますが、4~6月に(GWを除いて)まとまった休みなど取ることのできない身分の私にとっては、結局“使うことができない”というままに終わりました。

それはともかくとして、「~千年ものがたり」号は、金曜日と月曜日も運転されるということが、たしかに観光列車としては間口を広げることに貢献していると思います。
もっとも、ならば金曜や月曜は空いているのかというと、そうとも言い切れない--私が乗ったときの客層は、ほぼ中高年のグループ客一色でした(1人席に、時折バースデイきっぱーが混じるくらい・・・)。見方を変えると、平日だろうが週末だろうが関係ない・・・というわけです--のが、難しいところです
(それでも、「伊予灘ものがたり」号よりは、まだ「~千年ものがたり」号の方が(今のところは)座席確保が容易という印象です・・・)。

「ものがたり列車」を抜きにしても、バースデイきっぷの「グリーン車用」と「普通車用」の差額が3500円ということを考慮すると、1日に1回グリーン車を組み込めば元が取れるともいえるわけで--普通車指定席も組み込めば、なおのこと・・・--私にとっては、今の価格差であれば、「普通車自由席用」を考慮することはなさそうです・・・(8000系のように、グリーン車や普通車指定席よりも、普通車自由席の方がかえってマシな居住性をもたらしてくれる例もあるのはともかくとして・・・)。
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キモプアの紙

Author:キモプアの紙
キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

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