リニア・鉄道館探訪記④(26年9月)

「その③」のつづきです・・・

新幹線車両の隣には、国鉄を彩った歴史的価値の高い在来線車両群が展示されています。
0系の隣にいるのが・・・

クハ381
かつては“しなの”号で活躍した、(量産車としては)国鉄唯一の振子式車両である381系電車の先頭車、“クハ381-1”です。

トップナンバー
栄光のトップナンバーゆえに、この“リニア・鉄道館”に収蔵されています。
ちなみに、381系としてはもう1両、JR化後に改造されたパノラマグリーン車こと“クロ381-11”も収蔵されていますが、残念ながらそちらの車内は公開されていません。

行先表示等
行先表示や号車表示。

室内
室内に入ってみます。
JR化後にアコモ改良されて、R-55系統(たぶん)のフリーストップ式リクライニングシートに交換された後の姿で保存されています(引退持の姿を今に伝える・・・ともいう)。

座席
シートピッチは910mmのままにつき、座席と窓の不一致はありません。
JR化直後に国鉄形車両のアコモ改善を実施する際に、そこかしこで使われた、どこかで見たようなリクライニングシートですが(微妙に形が違うような気がするのはともかく・・・)、割とバカにならない座席だと思います。

381系といえば、物持ちのよい(?)JR西日本ではまだまだ現役ですが、あちらは(伯備線の“ゆったりやくも”仕様車を除けば)原型の簡易リクライニングシートを無理矢理フリーストップタイプに変えた座席です。
それに比べれば、このR-55タイプの方が座っていて安心できるような気も、しないでもありません・・・(“リニア・鉄道館”のお約束として、着席禁止につき、このときにはもちろん座っていませんが、かつての経験に従えば・・・)。

振子車の証
381系らしいのが、デッキと客室床面の高さが違う(客室床面の方が低い)がゆえの、簡易スロープです。

隣はキハ181
デッキ越しに、初代“しなの”号こと、キハ181-1を望むことができます
(まあ、四国人というか松山人としては、初代“しおかぜ”号といった方がしっくりきますけどね!“キハ181-1”については別途まとめておきましたので、私がどう見ているかについてはそちらをご参照ください)。

こんな感じで並んでます
こんな感じで並んでいます。

**********

再び車外へ・・・。

台車
振子車といえば、何はなくとも台車です。

振子
(量産車としては)最初の振子車らしく、コロ式の振子台車です。
登場が40年以上前(昭和48(1973)年)ということもあって、当然といえば当然ですが、曲線に入ってから遠心力で勝手に傾くという自然振子式だったため、振り遅れや振り戻しとか何とかで、

速いけど乗り心地 \(^o^)/オワタ

と、ずいぶん酷評を浴びたと伝えられています。
一度だけ、伯備線の“やくも”号で振子動作中の381系に乗ったことがありますが、確かに制御つき振子車とは挙動が違っていました(四国の2000系や8000系で慣されているからか、とりたてて乗り心地の悪さは感じませんでしたが・・・)。

現代ではコンピュータ制御で振子の動作を制御するようになったとはいえ、基本的な原理は今も昔も変わりません(ベアリングガイド式の振子車もいますが、コロ式も一大勢力であることに変わりはありません・・・)。

ごつい
連結器周り。
現代の車両のような電気連結器をもたないため、ゴツいですね。
また、中央西線で活躍したこともあってか、スノープラウも抜かりなく装備されていることがわかります。

表記類
表記類。
振子車のもう一つの特徴、“車体の裾絞り”についても、何となく伝わるでしょうか・・・。

存在感
現役で活躍する381系は、紀勢本線と伯備線の電化開業時に増備されたグループのみで、基本的に先頭車は非貫通です(後年簡易貫通扉つきに改造されたグループもいるにはいますが・・・)。
観音開きな貫通扉を持つ0番台グループの姿を、今に伝えます
(このタイプの貫通扉を持つ国鉄形特急車も、すっかり絶滅危惧種です・・・。それを言うならば、国鉄形特急車自体が絶滅危惧種であるという見方もできますが・・・)。

シンボルマーク
国鉄特急を象徴する、“こだま”形151系電車以来の特急シンボルマーク。
特急が“特別”だった時代の名残も、今やだいぶ失われてしまいました・・・
(特急が“特別急行”の略であることを知る人が今やどれだけいるのか、そして、“特別”のつかない急行列車が、JR線上では“はまなす”号しか残っておらず(定期列車としては)、遠からず絶滅しようとしているというこの皮肉・・・)。

のっぺり
ちなみに、381系といえば低重心化のために空調装置を床下に搭載したことでも知られていますが、2階から屋根を眺めてみると、なるほど“のっぺり”です・・・。




クハ111
クハ381の斜め後ろ(キハ181の向かいともいう)には、同じく国鉄電車を象徴する111系電車のトップナンバーである、“クハ111-1”が展示されています。
国鉄時代はもちろん、JRになってからも都市部、地方を問わず、直流電化区間には、この“湘南色”(俗称“カボチャ色”)の電車が闊歩していたものですが、111系はとっくの昔に全滅し、後継の113系や115系電車も、今となっては急速に数を減らしています。

仮に現役であっても、西日本でそうであるように、

末期真っ黄色や抹茶色に塗りたくられて辛うじて生きながらえている

ありさまで、“盛者必衰の理、おごれるものは久しからず”とは、よく言ったものです。

車内に入ってみます。

室内
ああ、これこれ!

・・・と、一定以上の世代であれば共感できるであろう、“The・国鉄近郊型電車”

室内
3扉・セミクロスシート。
妙に窮屈なボックスシート(シートピッチが狭すぎて4人で座ると膝がぶつかる・・・)、そそり立つ背もたれ底つき感満点のクッション・・・

このボックスシート、一説によると、

お上のありがたい車両なのだから、正しい姿勢でお行儀よく座れ

・・・という、設計者のありがたいのか迷惑なのかよくわからないおしつけによるものだそうですが、混んでいるときはともかく・・・

ガラガラになると、足を伸ばしてみる
夜に乗るととりあえずコの字型になって無理矢理寝てみる


・・・というのも、一定以上の世代にとってはあるあるすぎて(以下略)

扇風機
天井の扇風機も、国鉄くおりちーです
(後には冷改された仲間も出てきましたけどね・・・)。

トップナンバー
トップナンバーの証。
1並びもここまで来ると潔いです。

サボ
外にはサボ。
このサボのとおり、登場した頃には東海道本線の東京口を行ったり来たりしていたのでしょう・・・。

「その⑤」につづく・・・


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111・113系

111系(編成として)が最後まで残ったのは四国でしたね。その四国でも111系が113系に置き換えられるという妙な現象(Tc車としては系列が同じ)が起こりました。その113系も座席は6000系と同じ転クロで柔らかすぎず、固すぎずちょうどいいと思うのですが、古い故に乗り心地は??って感じになってますね。
115系も四国に来ますが、当然乗り心地はイマイチです。個人的に6000系が四国の普通電車で一番だと思ってます。特に快速運用でその差が歴然となります。7000系は合格として、113系と121系の快速は乗れたものじゃありませんからね(笑)

Re: 111・113系

sanukitrainさん、コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、111系終焉の地となったのは、意外にも四国でした(辛うじて21世紀まで生き残っていたはずです)。
JR発足の際に、「電車が足りん、しかし新車も買えん」となったJR四国が、当時の国鉄清算事業団から買い取ったのが、四国に111系がやってきた理由だったはずですが、車内はモケットこそ張り替えたものの、原型のままでした(平成初頭に、当時存在した「四国島内フリーパス」で高松くんだりまで乗りにいったものです)。
四国カラーに塗り替えられたのも印象的でしたが、一部編成の車内に自動販売機が設置され、コカコーラとUCCのステッカーがでかでかと貼り付けられていた姿もまた、印象的でした(撤去されるのも割と早かったですが・・・)。後は、JRになってからしばらく、なぜかココヤシの絵柄(後に抽象画に変わる)な「サンシャトル」のヘッドマークがついていたことも、ありましたっけ。

もっとも、一旦廃車になって清算事業団行きになった車両ですから、そもそも老朽化しており長く使うこともできず・・・ということで、四国にやって来てから10年ほど経った1990年代の後半には、2編成が6000系に置き換えられたわけですが、残り3編成はJR東日本で廃車になった113系で置き換えられて、今に至っているのもご指摘のとおりです。
JR四国としては全111系を6000系で置き換えたかったようですが、1998年の大雨災害で3ヶ月も土讃線の一部が普通になり、その復旧費用だとか減収分だとかに資金を取られて中古車の導入に方針を変えた・・・という説もあります(本当かどうかは定かではありません・・・)。
その113系もたいがいガタがきて(ご指摘のように、転換クロスシートはそれなりに快適なのですが、足回りや車体が・・・)、置き換えがわりと急務だと思うのですが、どうするのでしょうね。JR四国の現状からすると新車は無理で、中古車になるでしょうが、東日本の211系でも買うのでしょうかね・・・。

また、快速サンポート運用ですが、昨年の夏に113系に乗車したときは(夕ラッシュの端岡・鴨川停車列車につき、それほど感じなかっただけかもしれませんが)、それほど悪い印象は持ちませんでした。
121系のサンポートは・・・確かに“勘弁してくれ”(笑)。
だいたい、101系だとか103系の廃車発生品を有効活用している段階で“お察しください”ですね。
こうして考えると、割と飛ばすときに、台車というか、“足回りって重要だな”と、思わずにはいられません(他方で、6000系の1M2Tという編成も、雨天時などには空転的な意味で“勘弁してくれ”となることも、無きにしも非ず)。
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Author:キモプアの紙
キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

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