四国鉄道文化館探訪記(その②)

「その①」のつづきです・・・

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はるばる京都駅くんだりから、東海道~山陽~宇野~本四備讃~予讃線と(18きっぷで延々と)乗り継ぎまして、約7時間をかけて、伊予西条駅に着きました。
ときに16時前。


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改札を出て、途中下車。
伊予西条駅周辺は“鉄道歴史パーク in SAIJO”と題されて、四国鉄道文化館を中心とした観光ゾーンを形成しています。

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では、まずは駅の東に広がる跨線橋で駅構内をひとまたぎして、“南館”から訪ねることにします。
ちなみに、四国鉄道文化館は、もともとあった“北館”と、後から建設された“南館”の2館構成です。
一方で入館券(平成29年時点で“300円(高校生以上)/100円(小中学生)”)を購入すれば、他方の建物にもそのまま入館することができますので、どちらから見るもよし、どちらか一方だけ見るもよし・・・

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南館の外側には、かつて予讃線でも走行試験を実施していた、フリーゲージトレインの第二次試作車が静態保存されています。
それにしていも、(第一次試作車の頃から考えると)延々20年近く試験を続けている割には、フリーゲージトレイン、実用化される気配がありませんね・・・。

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どことなく“愛嬌”さえ感じさせるスタイル?

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他方で、軌間変換装置を内包する台車は、見るからに複雑そうです。
実際に、軌間変換装置や、新幹線・在来線双方に対応する走り装置・・・といった、重装備にならざるを得ないため、重量もかさめばメンテナンスの手間もかかり、何よりも、現代の新幹線において当然となっている300km/h域での走行もできないとか(フリーゲージトレインの新幹線区間の最高速度は、今のところ270km/hらしいです・・・)。

採算性を無視すれば、新幹線と在来線双方を走らせること自体は今でも可能なのでしょうが、実用化となると“コスト”も重要になりますからね(あと、メンテナンスの容易さも・・・)。




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さて、南館の入口で自動券売機にて入館券を購入し、館内に入ると迎えてくれるのは、HOゲージとNゲージが混在しているジオラマです。
日本三大鉄道博物館--いや、大宮の鉄道博物館だけはまだ行ったことがないのですが・・・--のジオラマと比べる方が間違いでしょうが、これはこれで“四国に特化”しているという点では見応えがあります
(ごらんのとおり、四国鉄道文化館もきっちり再現しているのですが、なぜに収蔵されているディーゼル機関車が“DD51形”なのだろう?(なお、(電気式で重い)DF50形が走っていたのですから、四国にもDD51形が“物理的に”走ることは可能だったはずですが、結局DD51形は四国に入線しないままに終わりました・・・))。

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今では予讃線から飛び立っていった(?)、2000系アンパンマン列車。
「ばいきんまん号」だった2004号、今日も土讃線のどこかを元気で走っていることでしょう・・・。

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伊予西条駅と四国鉄道文化館・北館。
ちなみに、気動車時代の懐かしい車両も、きっちり在線しています。

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“なんちゃって新幹線”こと、「鉄道ホビートレイン」は、路上に転がっていました(苦笑)。

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タイミングが合えば実車の廃車発生品を利用したコントローラーで操作することもできるようですが、だいたいは自動運転してますね・・・。




さて、ジオラマとパネル展示がなされている一角を抜けると・・・

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実車展示スペースとなります。
まずは、C57形44号機。

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いうまでもなく、四国にC57形が入線したことなどないのですが、かつて国鉄総裁を務め、“新幹線の父”としても名高い十河信二氏の功績を讃えて西条市に寄贈され、四国鉄道文化館・南館の開館とともにこちらで保存されることになりました。

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キャブに立ち入ることもできます。

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石炭。

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動輪周り。




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他方で、北側の端には、DE10形ディーゼル機関車のトップナンバー機が保存されています。
かつては多度津工場で保管されていましたが、こちらもこの建物の開設とともに移設されてきています。

現在でもわずか2両だけ、四国にもDE10形の配置がありますが、かつては40両近く(JR四国発足時に「37両」が引き継がれています)も在籍していたものです。
なお、このトップナンバー機は生涯を四国で過ごし、JR移行直前に廃車になりました。

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キャブ周り。
タブレットキャッチャーが時代を感じさせます。

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台車周り。

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DE10形といえば、前方の3軸台車と後方の2軸台車の織りなす、前後非対称のスタイルですね。

どうでもいいことながら、本線運用に加えて入換運用も想定していたDE10形、運転席が線路と並行に設置されているのですが、入換時にはともかく、本線を走るときには前方監視と計器監視で視線を目まぐるしく動かす必要があり、ものすごく運転しにくかったのではないか・・・と思わないでもありません。

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ちなみに、建物の外には信号関係の実物展示と、

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レール、車輪等の実物展示があります。




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さて、ここ「南館」のヌシといえば・・・

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やはり、このキハ65形34号車でしょう
現役時代の最晩年に、JR四国色から国鉄色に塗り戻された状態で保存されています。

やはり、国鉄形車両は国鉄色に限ります

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それまでの急行形車両であったキハ58系が非力で、おいそれと冷房化もできない--現在ではエアコンが機関直結式であることは当たり前になっていますが、かつては走行用機関は走行用、発電用機関は発電用と、スッパリ分かれていたものです・・・--こともあって、大出力機関と発電用機関を搭載して昭和44(1969)年に登場したのが、このキハ65形です。

四国はもちろんのこと、山陰、九州といった暖地で運用され、急行列車の冷房化に絶大な貢献をしました
(寒地用の500番台もいましたが、四国では無縁でしたね・・・)。

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その“大出力機関”。
キハ181系と同様に、DML30系列の機関となります。
現役時代には、キハ58系のDMH17系機関の軽快なサウンドと違って、轟音を発していたことを、懐かしく思い出すものです
(キハ181系と同系統・・・といっても、こちらは急行形車両で開閉窓ということもあり、よりダイナミックなサウンドが堪能できていたものです・・・)。

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扉周り。
そういえば、コイルバネ上等だったキハ58系と異なり、キハ65形は空気バネ台車を装備しており、ちょっぴり乗り心地がよかったような・・・気も。

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サボ受け。

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キハ65形については、車内が公開されていて、中に立ち入ることができます。

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家庭用のエアコンが装備されていて、微妙に涼しい--ちなみに、南館の車両展示スペースは空調なし(まあ、天井が高すぎるので、エアコンを設置しても効きが悪そうですが・・・)--です。

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アコモデーションが微妙に改良され、ヘッドレストが大型化されたJR四国時代の姿を今に伝えます
それにしても、シートピッチが1580mmと(キハ58系や他の一般型気動車よりも)広く、さすがは“最終世代の急行形気動車”です。
窓側にもアームレストがあるのも、急行形車両の特権ですね。

他方で、窓側席に座っていると足元の配管がうっとうしかったのも、今となってはよい思い出です・・・。

そんなことを思いながら、しばし、誰もいない車内で、ボックスシートに身を委ねていると、エンジン音とジョイント音がかすかに聞こえてくるような・・・気がしました

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窓枠には、これまたノスタルジーを漂わせる“センヌキ”。
そういえば、かつては“ペットボトル”なんて欠片もなかったのに、今ではペットボトルがなければ生活が成り立たないというのですから、時代はいつしか様変わりしてしまったようで・・・。

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そして、通学の高校生が残していったであろう“落書き”。
時代を越えて“黒歴史”が保存されることになりましたとさ(苦笑)

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こちらは車端席。

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実は、窓側のアームレストもなければ、サイズが微妙に小さい“ハズレ席”だったりもします・・・。

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JR四国では、キハ58系の多くが一般形改造を受けて、一部ロングシートとなり、デッキと客室の仕切扉も撤去されたのですが、キハ65形については、全車がオールクロスシートのままに生涯を終えました。

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運転室については、イベント等の機会がない限りは立ち入ることができません・・・。

かつての急行時代、そして、普通運用に格下げされてからも、四国島内フリーパスや、四国ワイド周遊券(どちらも、今は存在しません)で何度もお世話になったキハ65形・・・。
あれだけ“当たり前”だった車両も、今となってはここ「四国鉄道文化館」でしか会うことができません・・・
(もっとも、相棒のキハ58系にしても、圧倒的な製造両数の割には、保存車・・・少ないですよね・・・)。




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ちなみに、南館の展示線のうち、キハ65形とDE10形が展示されている線路は、伊予西条駅の構内を介して、予讃線の本線につながっています
(両車とも、保存されていた多度津工場から、予讃線の本線を回送されてきたはずです)。

したがって、その気になれば展示車両の入れ替えも比較的容易にできるはずなのですが、次は2000系試作車(TSE編成)が博物館入りするとき・・・なのでしょうかね?

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・・・と、南館をウロウロしていると、手元の時計は17時を回っていました。
そろそろ、北館に移動しないといけませんね・・・
(「四国鉄道文化館」の開館時間は18時までです)。


「その③」につづく・・・
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キモメン兼デヴ兼クソヲタ兼フニーターで当然の帰結として“プア”・・・。略して“キモプア”。
その中でも(まあ、ほかに“キモプア”を自称する物好きもいないでしょうが・・・)選ばれし“逆”エリートゆえに“紙”(ペーパー的な意味で・・・orz)。

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